君の(投稿板)
時雨
ひとりの手
冷たさも、右手と左手では
同じ温度
つなぐもの無いから、自分の手を握る

言葉、いつも同じで余計に悲しくなるね
外の音は きっとあなたにも聞こえてるはずなのに
遮音するように幾つもを振り払うしかない
寂しい女

打ち付ける音の端々が刺さればいい
大きくなりすぎて、どこから取ればいいのか

私には わからない
時雨
溺れることが、あなたであれば
それは、恐らく私の中で幸せ

逃げること、背けること
マイナスでしかないこと

それにしか、しがみつく事が出来なかった私が可哀想になる

流れている時は、誰にでも同じなのに
二人に流れる時は、止まっているね

あの日、いつの時間、忘れるほどたくさんの時間が過ぎても、止まってる

君の全てが、僕の全てだとか
君無しじゃ生きられないだとか

そんな台詞でよかったのに

不幸せな言葉は現実よりも 重たかった
時雨
どれだけの時間を独占しても
あなたとの距離、近くなった気がしないよ

仕舞い込んだ言葉は いくつあっても足りないけど
欲しかった言葉も いくつあっても足りないよ

胸の深いところで濡れ続けてる言葉は
どこへも散ることなく 飲み込まれるだけ

あなた、わたし お互いにそうしてきたのだろう
時雨
すべて総て壊したい

いま、在るもの
とげとげしい
自分を壊しかけてるものが
あなたへ向うことを知っている

我慢だとか、苦しみだとか、不安だとか
それぞれが バラバラになって
だけど一つになること 私は理解してるんだ

犠牲のなかに成立つ幸福が私の論理ならば
それさえ受け止めて欲しかった

欲望の中にしか術が無いのなら
うす汚いものに埋れても構わないとさえ
私は、何を感じて 何を思っていたのだろう

言葉に縛られて、過去に縛られて

希望なんて消していたい

絶望の中にいれば、上なんて見なくていいから
そこにあるものだけ見ていれば
底しか見えないのだから

光の後ろに影がしつこく落ちるなら
漆黒の中で何時までも無限ループしていたい

せまいせまい箱の中でも なんてことはない
いくつかの幸せを 分け隔てなく与えられても
それは 私の幸せじゃないこと 知ってるから

どこかで拾ってきた幸せも
私だけの物になるなら それだけでいい

いくつも望むから 欲深くなること
忘れてはいけないこと 忘れること
それが何よりも悲しいこと

私は知ってるつもりでいた
時雨
涙の程だけ屑紙は 数えきれない

こんなにも薄いものだけじゃ
幾枚重ねても、拭いきれない

染まる色が透明だとしたら
色を付けたい

だけど、あなたの涙の色 あざやかだとしたら
私の涙は透明でいられない
それは あざやかに色づくだろう

これほどに耳を失くせられたら
もっと目を無くせられたら
感情も亡くなるだろう
それでいいのに、それでは落ちられない

嗚呼、ありきたりな感情で支配される
どこへでも行きたくなる

けれど、還るとこ ひとつしか無いね