100号室 桐谷 朱鷺

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室内インテリア

★綾瀬裕夢
(並べられた言の葉の全てを何処かぼんやりと聞き受けては彼が退室しても尚立ち上がれずに床を見詰め続け、漸くと足に力を入れ自室へ戻ろうと一歩踏み出すも足が縺れよろめいては途端と表情歪め近くの壁へと凭れ掛かって。然し涙は一切流す事無く軈て真直ぐと前を見据えて歩みを再開し、己も自室へ戻る事無く上着無い侭に思い浮かんだ場所向かって)>退室

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★桐谷朱鷺
(掴んだ腕を相手が引くのも構わず手を離さずいると軈て掌に伝わる力が抜けるのを感じて己も握力を弱め、答えを紡ぎ出されると真意を知り漸く手を離して項を垂れ、吐息と共に片手で頭を掻き)…悪ィ、それは言わせるべきじゃねぇとこだったかもしれねぇけど……、それに、言葉足らずだっただろうけど…俺言ったよな、リセットとかとは違うって…ってああもう、何言ってんだか分かんなくなってきた(珍しく言葉に詰まり再び頭に爪を立てそのまま掻き上げて止まり、髪が幾つか落ちる間を持ってから深く呼吸をすれば手を離し)…俺が学院を辞めたのは、長い年月をかけて、自分がモンスターになったように感じたからだ。だからもう居られねぇと思った。いろんな物を捨てる事はできねぇ…けど、化け物ではいなくなれるような何か、何かきっかけを探しに行って、それを見付けられた気がして…少しは昔のようにいられるかと、思ったってだけの話だったんだ。…ごめんな、話すべきじゃなかった(瞬時苦悶に表情歪めるもすぐに仕切り直して顔を上げると立ち上がり申し訳なさげに相手を見遣り)悪ィ、頭冷やしに外に出る。ホントごめんな、せっかく久々に会ったのに。鍵は開けたままで帰って良いから。…風邪ひくなよ(相手の肩に片掌を乗せ告げると上着を取り玄関に向かい、部屋の外へと静かに出ていき)>退室

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★綾瀬裕夢
(揺らぎそうに成る視線強く手先握り締める事で何とか彼へ定め続け帰宅の意浮かべた笑顔崩さず告げ切る事で僅か安堵滲むも刹那、立ち上がろうとした己引き留める様彼が自身の二の腕掴むなら驚きと動揺が同時に瞳へ色付き数瞬のみ其れ此方へ引く事で抵抗と成して。然し直ぐに脱力しては俯き乍ら座り直し、幾度も薄く唇開いては閉ざす所作繰り返した後弱々しく本音紡ぎ出して)……矢っ張り少しも色褪せなかった俺の相変わらずは、君には必要無い。だから、早く捨てなくちゃと…思っただけ。…離して、朱鷺。(時折言葉が詰まり上手く声が出なく成るも伝わらぬ程では無いだろうと其れ以上は口を開かず、折角再会出来た至極の時間を上手く過ごせなかった自分自身への苛立ちと嫌悪を爪先掌に立てる事で遣り過ごし乍ら次ぎ何事も無い様微笑んで彼見詰め)帰るね、今日は遅くまでありがと。此れからも宜しくお願いします。

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★桐谷朱鷺
その思いが心に浮かぶような場所を持てねぇ奴も持とうとしねぇ奴も居る中で、裕夢はそういう場所がある事を知ってるじゃねぇか(相手の言葉に小さく緩く首を振ってから告げられた礼に対し笑みを浮かべるも、相手の表情の変化や仕種で平常に非ずな雰囲気を感じると相手の二の腕を掴み)…何も無くも大丈夫でもねぇだろ、そりゃ。何年一緒に居ると思ってんだ(鋭さはないながら視線を相手へと定めれば日頃より重みのある声を発し)言えよ。

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★綾瀬裕夢
真直ぐじゃないよ、俺。少なくとも自分ではそう思ってる。けどありがとう、そうで在りたいと思ってたからそう云ってもらえるのは凄く嬉しい。(予想外の台詞に丸めた瞳を数度瞬かせるも直ぐに何処か照れの混じるはにかんだ笑顔を滲ませるも刹那、告げられた問いと向けられた目線に息を飲み漸く細々と流した呼気に言葉乗せようと為すも叶わず其れでも尚笑みを浮かべようと口端柔く引き上げ乍ら首左右振り其処で漸くと詞紡ぎ出して)何も無いよ、大丈夫。話を聞かせて呉れてありがとう。……そろそろ帰ろうかな、こんな時間まで居座ってしまった。

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★桐谷朱鷺
相変わらず、ってこれは良い意味の相変わらずだけど、裕夢はホントに真っ直ぐだなぁ(己が己を欠陥と考える理由の感情を相手が芯すら帯びさせて携えている事に羨望の思いすら感じて双眸を細めるも、相手の表情が驚きの後に曇り行くように見え、徐々に軽くなる片側が気にかかれば顔を覗き見遣るように首を傾け)…どうした?妙な事言ったか?

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