107号室

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★久万川 景太
誕生日祝いだから、たまには贅沢しても良いだろ。テストも終わったし、お互いお疲れさんって事で大奮発してきた。ケーキも美味そうだよな…蝋燭挿したらフーってやって……って……火がねぇ…。(喜色を浮かべた友人の顔を見るや、じわりと内側から多幸感が満ちて来て知らずと表情は笑みが絶えず、肩を軽く小突く感触に箱から開けて取り出した年齢の蝋燭を手にケーキの余白に差し込んでみるも、ふと顔を真顔に変えて眼を丸く見開いて蝋燭を灯す火がない事を訴えてみて。丸くさせた眼を次第に細く萎れさせると眉も連動して垂れ下がり、己の詰めの甘さに声のトーンを下げていき。然しながらケーキの横に並べたプレゼントに気付いた友人の声に下げた眉を戻しつつ、箱に触れては友人の目の前に差し出して)腹は俺も減ってる。飲み物も好きなの飲んで良いから。…そう、これがりっちゃんの誕プレ。貰って。好みかは…自信ねぇけど、開けてみて。

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★高濱 律
すっげー。これ、わざわざ買ってきてくれたの?あ!いちごのケーキ!俺の名前も入ってる……!もー、至れり尽くせりじゃねーかよー(彼の笑顔には、口元を引き結んでいても零れてしまう喜びと照れからくる笑みを浮かべて、説明を聞きながら開封した袋の中、ピザやチキンはまだ暖かく食欲をそそる香りに満面の笑み、続くケーキは彼にリクエストしていたとは言え、いざ実物を目の前にすると驚きにに瞳を丸めて。その湧き上がるような喜びにはしゃぎながらも、それを誤魔化すようにふざけたノリで彼の肩口を軽く小突いてみようと腕を伸ばして。キッチンスペースに辿り着けば未だに体の中で燻る嬉しさに、彼に背中を向けてこっそりとそれでも気色満面の笑みを浮かべて。それをごまかすようにぱしん、と頬を叩いて引き締めれば二人分の食器やグラスを持って彼の元へと戻って。それを並べて早速食事をと思った矢先、今まではなかった包みに気付けば、不思議そうに、それでもなにか期待するような悦びを隠しきれない瞳で彼に問い掛けて)……お待たせー、ほら、ケータも腹減ってるっしょ?食お食お…………、ね、これなに?

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★久万川 景太
駅中のピザとチキン。あと誕生日ケーキ買って来た。足りそう?…マジ?片付けてくれたの?別に気にしねぇのに、ありがと。えっちじゃねーし(やっと念願叶って本人を目の前にして誕生日を祝えたなら達成感を滲ませた微笑で口角を緩く結んで。テーブルに並べたピザは駅中にあるイタリアン店で購入したに枚のピザは1枚はシンプルなチーズとトマト、バジルのマルゲリータ、2枚目はたっぷりの魚介が散りばめられたシーフードピザ。その隣には長方形の箱の中には食べやすくカットされ、オーブンで焼いた香草のグリルチキンが収まり。友人リクエストのホールケーキは生クリームと苺のバースデーケーキがあり、箱を開けたなら中央に『HAPPY BIRTHDAY りっちゃん』と書かれたチョコプレートが飾られ、それと一緒に二つの数字の蝋燭が同封されていて。祝いの言葉に照れながらも感謝を紡ぐ素直な反応に嬉しさが伝播した表情を浮かべて声を返してキッチンへ向かう背中を見送り、背負ったバックパックを肩から外して床に起き。寛ぐよう促す声に礼を返して腰を下ろすと鞄の中から友人へ贈る品を取り出し、ケーキが並ぶ隣へ包装された縦長のプレゼントボックスを置いて有人を待とうか)

【プレゼントの中身:白地に金のストライプの包装紙に黒のリボンで飾られたプレゼントボックス。箱を開けると中には天気予報が出来るLEDライト付きストームグラスが入っている。丸いガラスの地球儀の中に液体が入っており、それが透明なら晴れ、結晶が浮かび上がると曇りや雨になるだろうと言われている、歴史的に古くからある天気予報器機にLEDのライトが付いたもの。木枠は落ち着いた焦茶色、ライト機能はちょっとした間接照明にもなるだろう。】

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★高濱 律
そんなにたくさん持ってきてくれたん?あ、なんかいい匂いする!(両手が塞がっている彼の代わりに、その横をすり抜けて扉を閉めたのなら彼に続いてリビングに戻って。明かりの下、改めてテーブルに置かれた袋を見れば驚きに小さく笑ってしまいながらも、嬉しそうに彼を見て。それから微かに鼻腔を擽る食欲をそそる香りに大袈裟に袋に鼻を寄せながら、行儀悪くも袋の端を摘んでその中身を確認しようとして。しかし彼が部屋を見渡そうとするなら大きく手を広げてその視界を遮ろうと、それも本気ではなく飽くまでも冗談の延長で、すぐに両腕で自分の体を抱き締めるような所作を取ればわざとらしく言って)って、あー!見ちゃだめーさっき片付けたばっかりなんだっつーの!もー、ケータのえっちー!……、なんかこんなの久しぶりで。ありがとな、ケータ……、あ、皿とか取ってくるから、適当に座ってて(真っ向から告げられる言葉には珍しく照れように視線を逸らせながら笑って、いつもの元気でオーバーなものとは違う抑えたトーンで、それでも喜びはしっかりとその表情に乗せながら感謝を伝えて。それでもやはり羞恥に飲まれてしまうなら、誤魔化すように準備の為にリビングを後にして)

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★久万川 景太
(呑気な面持ちで下げた顔を上げて扉を見つめ、友人が出迎えてくれるのを待っていたならば室内から何やらバタバタと忙しない音が聞こえると思わず何が起きたのかは知らぬまま穏やかな小さな噴き出し笑いを零してしまい。そして軈て明るい声とともに開けられた扉に見えた友人の笑顔に釣られて微笑み返し、徐に動き出し促された声に従って玄関に進み器用に靴を脱いで室内へ上がらせて貰い。同じような構造の部屋とはいえ一歩足を踏み入れた瞬間から室内には友人の匂いを感じ、そろりと控えめに室内を見渡した後、テーブルの上に未だ温かいピザとバジルチキン、飲み物が入った袋を静かに乗せては友人の方へ体を向けて声を掛け)平気。…お邪魔するわ。…同じ間取りなのにやっぱ別の部屋みたいに見えるな。……これ、今日の晩餐。…りっちゃん。誕生日おめでとう。

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★高濱 律
おー、ケータ!っ、いって。ちょっと待ってな、今開けるー(粗方部屋が片付いたならぐるりと室内を見渡して、床に散乱したいたものは部屋の隅、重ねられた段ボールの中か、衣服類はベッドの上に放り投げただけの惨状ながら、この部屋を住みかにする家主としたは幾分とマシになったように見えて。よし、と満足気に息を吐いたところにチャイムが聞こえれば、いつもの喧しさ以上に喜びを滲ませて返事をして。友人が祝ってくれるという喜びにまたもやテーブルに足をぶつけながらも玄関へと、しかしふと思いついたように足を止めれば転がったままだった大きなクッションを自分なりに整えてみて満足そうに確認して。それから漸く友人を迎え入れれば、嬉しそうに笑いながらせかせかと室内へと促して)ケータおつかれー!外すげー寒かったっしょ?ほら入って入ってー、何もねーけど。

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