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過去ログ227
2016/6/25 19:37
▼みず 『第二位階の受難2』
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ピエールは足音も荒く、大司聖の執務室に乗り込んでいった。
「レスター卿、あなたから指示された場所に行ったのですが……」
「うん?」
ピエールが話しかけても、大司聖は手元の書類から顔を上げることさえしない。
「聞いてます?」
「ああ。聞いてるよ」
「小さな部屋に人が集まって、騒ぎ立てていました。あれはどういった集まりなのでしょうか?」
「きみのファンクラブ、みたいな?」
「ふぁんくらぶ、ですか?」
耳慣れない単語に、ピエールは眉を寄せる。
「きみを崇め、きみの一挙手一投足に大騒ぎする連中のことだよ。顔を出したら、熱烈大歓迎されただろう?」
「う……」
自分に降り注ぐ黄色い歓声を思い出し、ピエールは顔がひきつるのを自覚した
「ご婦人方に喜ばれて、よかったじゃないか」
「ちっともよくありませんよ。……って、大司聖、その札束は?」
「ん〜。イベント斡旋料。教会の慈善活動の一環でね」
慈善活動なのに、斡旋料とるんかい、というようなツッコミはさておき……。
「つまりは、私を売ったわけですね?」
「『売る』だなんて、きみも人聞きが悪いことを言うね」
「大司聖、あなたがそれほど書類仕事がお好きだとは存じませんでした」
「へ?」
急な話題の転換についていけず、レスターは思わず間抜けな声を出してしまった。
「レスター卿、大至急、騎士団の遠征計画を立て、計画書を提出してください。それから、昨年度の決算報告が未提出のままですから、早急に仕上げるように。南部から聖騎士の派遣に関し、問い合わせが来ていますから、その対応を。それと――」
「八つ当たりはやめようか、ピエール」
「何の話です、大司聖? 私は仕事の話をしているのですが……」
第二位階を怒らせたら怖いということを、レスターは身をもって実感したのだった。
6/25(土)19:37
▼みず とりあえず、こんな感じでw
『第二位階の受難』
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「さぁ、こちらへどうぞ、ピエール様」
にこやかな笑顔を浮かべたボーイに案内され、ピエールは階段を上っていった。
その建物は、奇妙な造りだった。中央の廊下を挟んで、両側に細長い部屋が等間隔で配置されているのだが、用途が判然としない。
「こちらのお部屋です、ピエール様」
ボーイに促され、ピエールは部屋のドアを開けた。
その瞬間、耳をつんざく大音量に包まれた。
反射的に両耳を覆ったが、脳裏で爆音が反響し続ける。
部屋の奥に置かれた、大きな四角い箱が風景を映し出し、その映像は目まぐるしく切り替わっていた。若い女性が口元で棒のようなものを握りしめ、映像を見ながら熱唱している。
呆然とするピエールに、室内から黄色い歓声が巻き起こった。
「きゃー、生ピエール様よ!」
「目の保養、目の保養」
「写メ撮らなくちゃ」
「早く捕獲するのよ、捕獲!」
……来てはいけない場所に足を踏み入れてしまったような気がして、ピエールはそっとドアを閉めた。
後日、なぜか聖騎士団長の仕事が激増したとか、しなかったとか……。
6/25(土)14:21
▼みず 主様の許可をいただきましたので、存分に……w
哀れ、ピエール様(笑)
第二位階>大司聖でも、さんざん遊ばれていますので、ピエール様がレスターの部下の立場だったら、どうなるんでしょうね。
6/25(土)11:23
▼ぱんだまんみず様
弄ばれてそうですね(笑)髭は昔大して志高くなく教会にいたのでいじりまくるといいですw
6/25(土)10:39
▼みず その部下にはピエール様も含まれています(笑)
過去にはどういう関係だったのか、興味深いですね。
6/25(土)0:36