1 ベルトルト・フーバー

貴方に恋をした

貴方からこっそり囁かれたPM、その時から僕の心は貴方に奪われていたのかもしれません。

出会ってまだ2日。
けれど確実に僕の頭の中は貴方のことで埋め尽くされていっています。
貴方専用のファイルを作って。貴方から鳩が来たと分かるよう端末の着信音を貴方だけ別のものに変えて。貴方が任務に向かっている間は貴方に想いを馳せて届いた鳩を何度も読み返して。

この気持ちに気付いてはいけないと思っていました。だって貴方は僕のことを何とも思っていないかもしれないから。けれど気付いてしまった。僕は貴方に恋をした。

昨日、口付けを強請りましたね。ダメ元、でした。けれど貴方は口付けてくれました。とてもどきどきして…とてもとても嬉しかった。もしかして貴方にも僕と似たような感情があるのでは、と少し生意気なことを考えてしまいました。こんな僕を許してください。

「俺が任務に行っている間、他のやつをたぶらかすんじゃないぞ」
「お前をどろどろに溶かすのは俺だ」
あなたから届いた鳩の一部です。ねえ、こんなことを言うなんて狡いでしょう。期待してしまうじゃないですか。僕の心は貴方の言葉に見事に振り回され、少しのことで舞い上がってしまいます。


今も任務に勤しんでいるであろう貴方へ。
僕は貴方に恋をしてしまいました。貴方からの愛もいただけるなら…僕にとってこれ以上幸せなことはありません。
でも今は望みません。貴方と一緒に居れるだけで嬉しいから。

貴方が僕のことを意識してくれたら…。
貴方にこの手紙を見られてしまうのは恥ずかしいけれど、本当は見つかって欲しい…。
なんて乙女のようなことを煌めく星に願い、筆を置くことにします。