1 リヴァイ

祝辞

俺のエレンへ宛てる。

今、お前と連絡を取る術が無い。「再」に連絡先を残したがお前の目に付かねぇ可能性もある。その時はこの言葉もお前の目には映らねぇんだろうが、口約束だろうと果たせるもんは果たしておく。
場所を借りるついでだ、余分な事も喋るぞ。

お前と会ったのは三ヶ月前…いや、四ヶ月か。まあその辺だ。ふらふらと俺に着いて来たお前を一晩遊んで帰すつもりが、お前が居座ると言い張る所為で始まった関係だった。そうだろう。
お前が本当に最後まで粘るのかどうか分からなかったが、結果こうなった。しかも最中に俺も絆されちまって頭が痛ぇよ。正直こういうもんは得意じゃねぇ。想いを伝え合うだの何だの、避けて通れるもんなら避けてぇ。そう思ってみても絆されちまったもんは仕方無い。
床で過ごした晩、俺の想いは吐露したつもりなんだが。後日、お前からの俺の好意を有無を確かめる問いにも答えた。この辺りから恋人っつう関係に収まったんじゃねぇのか。

ハッキリ言う。恋愛沙汰が苦手だ。言葉にすんのも虫酸が走る。…言い方が悪いか、悪寒がする。てのも違うな。むず痒い。そんなところだ。
だが俺はお前を手放す気が無い。連絡が取れなけりゃここまでの縁になっちまうかもしれねぇ可能性に途方に暮れるぐらいには執着もある。


……いや。此処まで喋って気が付いた。連絡を取る方法が、まだ残ってやがる。

祝辞になってねぇが、此処で締める。無駄にすんのも馬鹿らしい。綴った文字は置いていく。


誕生日おめでとう、エレン。