1 ジャン・キルシュタイン

一月目のラブレター

エレン。
もうお前と出逢って一ヶ月だってよ、早ぇよな。
お前に会ったあの日の事今でも覚えてる。

脈ねぇと思ってたのにお前から声掛けられて、隠してたがテンションヤバかったんだぜあの時。
あの日あの場所でお前に出逢って、お前に捕まえて貰えて良かったって心の底から思ってる。

お前のその俺を呼ぶ甘ったるい声も、同じ声で紡ぐ狂ったような愛情も。
愛おしげに俺を見る蕩けたような蜂蜜色も、食われんじゃねぇかってくらいギラついた熱の篭った黄金色も。
俺に触れるその優しい指先も、たまに痛めつけるその掌も。
お前に与えられる重い愛情も全部全部俺だけの物って考える度に幸せっての感じてんだ。

本当の俺を受け入れてくれて、俺に執着するお前が愛おしくて堪んねぇよ。
もっと俺に依存して、俺だけ見てそうしてこれからも月日を重ねられりゃいい。

お前の全部俺にくれよ。
俺の全部お前にやるから。

愛してるぜエレン
俺の最愛。
2 エレン・イェーガー
ジャンへ


もう二ヶ月だな。

何したらお前が喜ぶかわかんなくって…っつーかお前はオレが何しても嬉しいっていってくれそうで。

どうしたもんかって考えて、この手紙の返事を書くことにした。

オレも覚えてる。結構物覚えは悪い方なんだけど、お前との出会いは今でも覚えてる。

気がついたらお前のことばっか見てて、

付き合ってもねぇのにお前と親しげにしてるやつが羨ましくて悔しくて堪んなかったのを覚えてる。


こうやっていざペンをとっても好きだ、愛してる、それしか思い浮かばねぇ。

お前がオレを呼ぶ心地いい声も、全て受け入れてくれる温かい目も、オレを元気付けてくれる優しい手も

オレは一生手放せそうにない。

振られるくらいなら舌をぶった切って、歯も全部ぶち抜いて一生お前を傍に置く。

…ん?振られそうになったら舌ぶった切るのに心地いい声が手放せないってなんか矛盾だな。

まぁ、いいか。お前はオレから離れないし離さないんだから。


ジャン、お前に笑ってて欲しい。大事にしたいと思ってる。

でも、オレの機嫌を伺うあの小動物みたいな表情も

泣きながら嫌わないでって懇願する泣き顔もすげぇ好きで

こんなことしたら嫌われるって思うのにやめられねぇんだ。

嫌いな訳じゃない、好き過ぎて止まんねぇんだ。それだけは信じてくれ。


オレのわがまま聞いてくれんのも、

受け入れてくれんのも、大丈夫だって言ってくれんのもお前だけだ。

ちっちゃなことで一喜一憂したり、女みてぇなこと言うお前が可愛くて仕方ない。

それから、お前がたまに見せる狂ったところを見るともっとみたいって思って止まんなくなるんだ。


ジャン、愛してる。

オレの全部お前に見せるよ。

だから、お前の全部もオレに見せてくれ。

お前が知らないお前も、オレは全部知りてぇ。


オレの花嫁、来月楽しみにしててくれ。
3 ジャン・キルシュタイン
元々記念日とか苦手だったお前が、こうして言葉を残してくれるだけで嬉しいのにわざわざ休みまで合わせてくれるとか嬉しすぎるに決まってんだろ。

なぁ、エレン。
お前は後何回俺の事を惚れ直させる気だ?
お前は俺に可愛いって言うの気にしてるけど、それだって俺の照れ隠しっつーか…あー…わ、分かれよ!ばか!前も言ったけどお前なんてかっこいいとこのが多くて俺の心臓持たねぇんだよ!

一ヶ月、二ヶ月、月を重ねる毎に好きも増してってる。
エレン、好きだぜ。愛してる。
これから先も、ずっとずっと一緒だ。
4 エレン・イェーガー
ジャンへ

こないだカレンダーの日数を数えたらもうすぐ100日だったからなんかしようって思って結局手紙になった。
形に残って、尚且つ気持ちが伝わるしな。オレ頭良い。

だけど、伝えたいことなんて毎日伝えてるからいざペンを取ると何を書いたらいいか迷う。
お前が好きで愛しくて毎日会ってるのに足らなくて一日ってすげぇ短いんだと思って、でもお前といない時間はやたらと長いんだ。もっとお前と話したい。そばにいたい。

お前がヤキモチを妬いたり拗ねたりすると窓あけてオレの嫁が可愛いって叫びたくなる。
遠慮とか迷惑とか考えないでくれ。オレは毎日、お前に会いたい。お前の本音を聞きたい。

今日という日まで一緒にいてくれてありがとう。明日からもまたよろしく。