1 エルヴィン・スミス

私だけの翼

…今は寝ているであろう彼奴の眼を盗んで、こうして文を綴っている。見付かったら気恥ずかしい事この上無いが、まあ、良い。私の此の溢れんばかりの愛が、信じる事が難しいと言ったお前の心に、少しでも伝わるなら。私は労力を惜しまない。

驚いた。お前と出逢ってから、まだ一週間程しか経っていなかったらしい。私が口説き文句を倩とお前に浴びせかけ、一目惚れとはこういう事かとお互いに知り、身体を繋げて真実の愛を確かめ合った。
怖い侭で良い。弱い侭で良い。そんなお前の心を私が支える。

だから、お前は私の傍にいてくれ。私は一生お前の手を離さない。漸く手に入れた運命の翼なのだから。愛しているよ、リヴァイ。――…眠れずにいた君へ。今此の時、幸せな夢を見ている事を願って。
2 リヴァイ
今は任務を全うしているエルヴィンに文を綴る。

お前の文は直ぐに見付けた。

確かに出逢って間もない。綺麗なお前が俺を気に掛けるのは不思議であり、有り得ないと言い返せる程の自信があった俺は当然口説き文句も素直に受けきれない侭…最終的に絆された形でお前に応えた。早々に身体を繋げたのも…一度抱き終われば多少は飽きるだろうと弱い心の俺はお前を試した。

だが次の日も、その次の日も、お前がくれる言葉は暖かく俺を癒した。


綺麗過ぎる…眩しい。
そう思い一歩引いちまう俺をお前は直ぐに引き寄せる。運命という。愛しているという。

お前を信じたい。
そう思った俺の心の変化は速かった。

お前の為に生き、お前と共に呼吸をし、永遠に傍に居たい。なァ、エルヴィン…お前しか見えない。お前の声しか聴こえない。愛してる、俺の最愛。
3 エルヴィン・スミス
好きだ。リヴァイが好きだ。
朝起きてすぐ、改めてそう思う。日中言葉を交わしている時も、夜おやすみと声を掛ける時も、いつでもリヴァイを好きだと思う気持ちは消えない。寧ろどんどんと募っていく。好きだ。

リヴァイ。…リヴァイ。お前が好きで幸せなのに、辛い。愛しすぎて、此の愛が抑えきれなくなってしまいそうで。私はいつか本当に、何処にも行けないようお前を縛り付けてしまうかも知れない。其の位、今の私は、お前に溺れている。リヴァイ、お前しか見えない。

今夜はお前の夢が見れたら良い。触れて、話して、愛し合って、幸せに眠る夢を。
愛している、いつまでも。