1 リヴァイ

薔薇の代わりに

俺と同棲しているクソ餓鬼に宛てる。

こんな公の場所で想いの丈を言い募るなんざした事は無ぇが、二ヶ月記念には何もしてやれなかったからな。偶には悪くねぇだろう。なあ、エレンよ。
あー…頻繁にクソ長い置手紙を寄越すわ、致している時は散々俺の名前を呼びまくるわ、最近頭の螺子が軽く二、三本は吹っ飛んでやがるクソ野郎。
まあそんな御前に心底惚れている俺もたいがいクソ野郎だが、クソ野郎同士互いの相性は悪く無えんだろう。

御前と出会って、俺は弱くなった。
其の弱さを愛おしく思う。そして、御前の弱さも又、愛おしく思う。
存在に救いを求め、愛おしさ故に泣くなんざ俺には縁遠いモンだと思っていたが…他に言い様もない。ただ御前が愛おしい、エレン。

と、こんなモンか。前置きばかりが長ぇがそこは気にするんじゃねえ。普段直接喋ってんだから気持ちは容易に汲み取れるだろう。
ああそれから。互いの休みが被った其の時はてめぇ、諸々覚悟しとけよ。其の頭の螺子、あと四、五本抜ける程度には可愛がってやる。
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3 リヴァイ
三ヶ月記念の今夜、俺のクソ餓鬼に宛てる。

…三ヶ月。三ヶ月だ。長いようで短かった、正直そんな頼りねぇ実感しか今の俺には無い。今まで彷徨い歩いて繋いだ縁が軒並み儚いモンだった所為か…其の責任の一端は勿論俺にもあるだろうが、これ程深く、凪いだ愛情が続くなんつう事が…陳腐かもしれねえが奇跡的で、日々驚くばかりだ。

忙殺されて、御前を待たせてばかりいる。可愛気も無ェ、酔えるような甘い言葉を吐くのもクソ程苦手だ。
そういう…歳だけ喰った詰まらねえ男に御前は些か勿体無えと、そう思う時はある。
まるで犬みてぇに俺の帰りを待ち、夜遅くに帰宅しても嫌な顔一つ見せず暖かな抱擁をくれる。疲弊して帰った身体に其れがどれだけ癒しを与えるか。
一時期の繁忙を乗り越えられたのは、エレン、御前の存在があったからだ。改めて礼を言う。感謝している。

おい、エレンよ。
…何時になるかは分からねえが、其の内。揃いのモンでも買うか。キーケースでもマフラーでも、物は御前が決めろ。
んな七面倒な事、本来はする必要すら感じて無かったんだが…離れている間、少しでも互いを近くに感じられるっつうなら悪くねぇ。
餓鬼の癖に我慢しやがる御前の事だ、俺に甘え倒してえのを堪えた夜もあっただろうからな。そういう揃いのモンで少しでも気が紛れりゃあ良い。

あー…クソ、何だこれは。長ェな。
纏まらねえが最後に一言だけ。…永遠の愛を誓うなんざ出来ねえ性分だ、今御前と過ごしているこの一瞬一瞬をクッッッソ程愛おしんでやる。以上。
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6 リヴァイ
…この手紙も随分と埋もれていたんだな。伝えてえ事は毎夜伝えちゃいるが、置手紙でも。御前を想うと気分が良いんでな。

さて…5ヶ月、か。夏の余韻を引きずったあの日、一夜限りの縁から始まった関係が今や5ヶ月だ。
同居人を経て恋人、果ては大の野郎同士が口に出すには些か薄ら寒い関係にもなったが…まあ、悪くはねえ。
何時も傍に居る事が当たり前になりつつある今、改めて自分に、そして御前に誓い直そう。御前との一瞬一瞬を、全力で愛おしんでやる。

…、愛おしい、とは、「いと惜しい」が語源であると言う与太話を聞いた。無くしてしまう事が大層惜しい、元はそういう感情らしい。
其の話を聞いた時、真っ先に御前が浮かんだ。どうしようもねえほどクソ餓鬼で、猿みてえに発情しまくる、だが誰より俺を…甘やかすのが上手い。そんな御前をもしも失ったなら…ハ、想像するだけで胸糞が悪ぃ。

俺は御前だけのリヴァイで居たい。
願わくば御前が在り続ける限り。

エレン。言いようも無いが、俺は御前を愛している。
これが重た過ぎるっつうなら何が何でも逃げろよ。良いな。
7 リヴァイ
また随分と埋もれちまってたモンだ。

…ここ最近、御前を不安にばかりさせているな。済まない。
だがな、エレン。俺には御前を手放すなんざ出来やしねえんだよ。

明日の朝、顔を見に行く。
エレン。愛している。
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11 リヴァイ
何となく足を向けて見れば、てめえは。余程躾られてえらしいな。…良いか、あれは御前だから見せた。其れをこんな公共の場で粗方ぶち撒けやがって…明日無事で居られると思うなよ。

ああ、折角だ、少し独り言でも置いていくか。
…エレン。
日を重ねる毎に愛しさの質量も、深度も、止まる事無く増していく。昨晩寝る間際に言った通り、御前との時間は全て奇跡のようなモンで、あの一夜の出会いから今まで共に過ごせている事を未だに何処かで信じられずにいる。…マイナスの感情じゃねえから変に拗ねるんじゃねえぞ。何時だって新鮮で、どんな時でもこの奇跡に感謝してるって事だ。
餓鬼で、どうしようもなく不安定だった御前が、何時の間にか、随分と大人になった。俺は、御前から見てどう変わった?手前からすりゃあ何て不様に蕩けたモンだと思うが、まあ、悪くはねえとも思っている。

挨拶かってくらいに浴びせられる睦言にも、未だに心が弾むんだ。なあ、俺は悪くねえ嫁だろう、エレン。
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14 リヴァイ
休日の朝は何時にも増して起床が早い事が多い。お前との時間が楽しみで、アラームをセットする必要もない。散々お前をクソガキ呼ばわりして来た俺だが、あまり大差がねえモンなんだと気付いた。
1年と5ヶ月か。あっと言う間だった。が、お前との思い出、距離感、一つ一つ思い返してみれば確かな時間を重ねてきたと言う実感がある。改めて、いつも傍に居てくれるお前に感謝を。エレン、お前は俺の大切な家族だ。愛おしさが尽きる事がない。
…結局直接話している内容と大差がねえが、まあ良い。お前が起きるまで手持ち無沙汰で堪らん。
俺の可愛いエレン、さっさと起きて来いよ。
15 リヴァイ
記念日でも何でも無いがお前を待つ間の手慰みに筆を取る。
出逢ってから一年と六ヶ月。短くも無い付き合いでも互いの気持ちや認識がすれ違う事もあるものだ、と最近改めて実感した訳だが…エレン、一層お前が愛おしくなった。
言葉を重ねて、想いを重ねて、そうして今お前の隣に居られる事を誇りに思う。
…書いては消し書いては消しを繰り返して、結局最後はこれに尽きる。愛している、俺だけのエレン。二人でまた時を重ねていこう。
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17 リヴァイ
可愛い俺のエレン。
初めて出逢ったあの日から今まで、愛おしさが募るばかりで堪らねえ。甘える姿、強請る姿、時折見せる強引な姿、頼もしい姿、然程短くはねえ付き合いの中で、尚、お前の新しい一面を垣間見ては惚れ直している。
すっかり骨抜きで滑稽な程蕩けた俺を可愛いと言ってのける、そんなお前が愛おしくて可愛い。エレン、俺はお前を心底大事にしてえ。
…毎日毎日愛を囁いているからな、改まって言う事は無えんだが、偶には間接的に伝えんのも悪くねえだろう。
おやすみ、エレン。また明日な。
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20 リヴァイ
二年だ。お前と出逢ってから、昨晩で二年が経った。
何か言葉を刻みたいと出向いてみたは良いが、感情が混ざり合って上手く纏められそうに無い。此処を読み直してみて、付き合いたての頃の方が余程饒舌で、言葉を尽くせているように思う。
…仕方ねえか。最近はお前を想うだけで涙腺が緩むような腑抜けた野郎だ。愛おしい、嬉しい、そういう感情が涙に直結する性分なんだと、長年生きてきて初めて気が付いた。俺は俺が思うよりもずっと不器用で脆い生き物らしい。
なあクソ餓鬼。お前にはすっかり丸裸にされちまったな。今さら見栄を張る気すら起きねえんだ、だから後は煮るなり焼くなり好きにしろ。…もうしてるな、お前は。
上手い事が言えなくて悪い。だが、伝わっていると信じている。
可愛い俺のエレン、早く帰って来い。
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23 リヴァイ
エレン、お前はどうしてこんなにも俺を大事にしてくれるんだろうな。…なんて言ったら何を今更、と不貞腐れるかもしれねえが。

日々の仕事に忙殺されて、いつの間にか色んなモンを見過ごしちまうようになってた。任された物を全うしようと躍起になり過ぎてたのかもしれねえ。手前なりに奮闘した時間を否定する事はしないが、お前に寂しい思いをさせて、我慢ばかりさせていた事実を今改めて噛み締めている。
なあエレン。明日から俺は自由の身だ。水族館も、海も、温泉も、俺の車で何処にでも連れていってやる。駆け足になるかもしれねえが夏の思い出を作ろう。それから、秋、冬…来たる季節をお前と大事に迎えていきたいと、そう思ってる。
堪らなく不器用な俺の手を、これからも引いてくれるか、エレン。
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25 リヴァイ
漸く顔を見せに行けたが…一足遅かったか。腹を出して寝るんじゃねえぞ、今夜は随分と冷えていやがるからな。

ひと段落して今日こそは、と思ったその日にお前からの連絡が来る事が多い。それだけ恋しくさせちまっている不甲斐無さは如何にかしなきゃならねえと頭じゃ理解している、反省もしてる。だが乗り越えた先で見るお前の顔が愛おしくて愛おしくて、嬉しさが先に立っちまう。…俺こそ出来た旦那でも嫁でもねえよ、エレン。

出来た恋人じゃねえのは重々承知だが…すまねえ。俺はお前を手離せねえよ。