1 ベルトルト・フーバー

最後の言葉

こういうところを利用するのは初めてだから、可笑しな感じになってしまったらごめん。最初に謝っておくよ。

昨日、君が言ってたことはこういうことだったのかと、今になって理解した。
皆この場で伝えたい言葉を記すんだね。僕は見当違いな答えを返しちゃったみたいで、少し恥ずかしいや。
先日唐突に僕に無理をしていないか聞いたのはこういう理由があったんだね。
隅々まで見て、これは、と思うものがあった。
本当は此処に記すのも迷ったんだけど、昨日の君がすごく気にしていたように思えたからこのまま書き続けることにするよ。

境遇も組み合わせも似ていたから、君が間違うのも無理はないと思った。君との組み合わせといえば、大体が僕かクリスタだからね。
でも、僕は悲しかったな。君が僕の言葉より他の誰の物かもわからない言葉を信じたことが。
最後に僕の愛がわからないと、愛されているか不安だと君は言ったけど、それは僕も同じだったよ。
届いているのかもわからない手紙に何度も愛を綴り、君に話したいことは増えるばかりで、けれど今は我慢の時だと自分に言い聞かせてた。
好きだと言った言葉は嘘じゃないよ。僕は君が好きだった。
好きだから毎日手紙を書いた。好きだったから毎晩寝る前に君を想った。本当は毎日君を抱き締めて眠りたかった。あんな手紙一枚じゃなくて。

長々とごめん。短い間だったけどすごく楽しかった。
最後の手紙に返事を書くわけにはいかなかったから、此処に。
これから先、君に幸せな未来が訪れますように。
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4 ユミル
書きそびれた内容があったから、二度目の置手紙だ。
同じ面した、私じゃない私に言われるってのは複雑なもんだな…あー…一応、その私がここを見る機会があったら、上の規則を確認しておいてくれ。今度からは他の奴の泉に金貨を投げ込むのは止した方がいいぜ?と、だけ。

それと、ベルトルさん。多分、私がお前の私だった私、だ。

…もっと逢いたいとか、お前は言わなかったろう?…思ってくれてねえのかな、っつう独り善がりな寂しさと、もし思ってるなら、それを我慢してるっつう事だよな?と思ってよ、私にとっては不満として口にされるよりも、言ってくれねぇ方が…信用されてねえ気がして辛かったんだ。女の私の胸でも、直ぐに寝ちまう私だが…お前が寂しいときには引き寄せて抱き締めたかった。お前の気遣いが、壁に見えた。私じゃあソイツを破る事は出来なかったよ。…聞いても零してくれねぇのに、何を信じたら私はよかったんだ?なぁんて、拗ねちまってさ…大人げねぇ最後になっちまって、悪かったな、ベルトルさん。

お前が凄く、いいやつだってのは私が保証するよ。私に不満を言わなかったのも、私への配慮だったんだろうなとも頭では理解しようと思ってんだ。…こう、寂しがりっつうか、多分…お前が思うより私はお前が好きだったんだぜ。いつも思うように逢いに行けなくて、ごめんな。寝ちまう自分が悔しくて堪らなかったし、少し遅くまで起きている時に限ってお前からの鳩が遅れて着いたりしてよ…愛想尽かされてもおかしくはねぇ状態の所に、丁度あの書き込みがあったんで、一気に不安になっちまった。
ここで私の姿で、余所見しない、なんて願って探してたのは私くらいだと思ってたからよ…弱音を吐かないお前の心が万が一あれなら、絶対に救いたいと思ったんだ。…完全に空回りしちまって、女神様にはなれやしなかったけどさ。
でも、後悔してねぇよ。お前に出会えて嬉しい。よかった。
ここに言葉を残してくれて、ありがとな。
鳩の代わりに、ここに感謝の気持ちを残していくよ。
後、悲しみを吐き出す場所ではあるが、お前の気持ちをこういう形でようやく知れて…嬉しかった気持ちも、残しておきたい。別れてから、やっと知れた。傍にいたら聞けなかったんだろうなぁ、と思うと…これ以上お前に我慢させやしなかったこと、よかったと思う。

すげえ好きだった。私も毎日、お前と一緒に抱き合って眠りたかったんだ。唇が触れた時、すげぇドキドキして…嬉しかったよ。
…本当に、ありがとな。