1 リヴァイ

また、

終わりの警笛か。
本当にクソ自分勝手な警笛だ…いつもいつも、こうやって少し受け入れられて来てから…それは鳴りやがる。

……焦がれるものは届かないものだと言うことは、もう知っている。
だからそんな事を繰り返し教える警笛でなく、俺の思考を消してくれる道案内を聞かせろ。


ミラーボールってのか…あんなやつになりたいと俺は思う。
他者を照らして魅力的に魅せてやって、繋いで幸せに前へ旅立つのを見る…それが何よりの至福と出来たらどれだけ幸せか。

さっさと欲や思考は捨てろ、俺よ。
それがきっと、幸せへの一番の近道だ。
2 リヴァイ
誰を責めるつもりもねぇ。
ただ単に俺には幸せなんてのが似合わねぇんだろう。

唯一無二を求めればいつもそれは手を伸ばした途端に粉々に消えちまう。
もしくは残念、あなたは友達です、等と言ってたかだか良い人ポジションだ。
万一に愛せたとしても、上手くは愛してやれない。

それが俺の価値であり、きっと限界だ。
愛し愛される幸せなんてのは似合わない、得ようとすれば壊しちまう。いつだってそうだった。


昔、誰かが言っていた。
歪んだ表面は自分の意思さえ重視しなけりゃ馬鹿みたいに回り続けて当てられた光を乱反射させる事が出来る、と。

俺には欲も意思も必要ない。
さっさと捨てちまえ。
そうすりゃ少しは幸せに触れられる。それが他人事の幸せでも。