1 クリスタ・レンズ

お願い、

気付かないとでも思ってたのかな?それとも気付いてこっちから逃げるのを望んだから?分からないけれど、でも私は、それでも誰かを恨めない。いっその事、嫉妬と憤怒と恨みが溢れてしまえば楽なのに。私は誰かを恨めないし、きっとまた強い私を見繕うんだろうな。私は不甲斐なくて、意気地なしで、馬鹿で、弱い。相手へ吐く度胸も無い。
この話だけじゃない。全部が息苦しくて、なんでこうも行き詰まるんだろうって不思議なの。私は少なくとも人並みに頑張ってきたつもりだったんだけどな。戦線を離脱したあの子達の分まで私が戦って、戦って、戦って、立派に生き抜くって決めたんだけど、なんでかな。疲れたんだろうね。でも、一人は寂しいし、立ち上がって歩いて、人を探すしかないの。生きていれば良い事あるよね?私は間違ってないよね?


痛くない。寂しくない。辛くない。私は大丈夫。強い子。一人でも耐え抜ける。私は私のまま、生きたい。檻の中の家畜なんて、なりたくない。