1 リヴァイ

此岸より

狭い壁内を飛び出して外の世界へ行くのなら、全て置き去りにして夢から覚めるなら、俺に止める権利は無い。
想いが消えちまってりゃあ、もう傍にはいられねぇ。

だがな。
この先も同じ世界にいるのなら俺はお前を探しちまう。
俺から絶ち切れる訳がねぇ。
簡単に忘れられるような関わり方をしてきたつもりはねぇ。

「助けられた」
「ありがとう」
「幸せに」

俺と関わって楽になれたと感謝しながら一人また一人と消えていく。
何度目だ、こうやって見送るのは。
見送り続けるのがこの世界での俺の役割なのか。

残された俺を誰が救ってくれるんだ。


…助けてくれ。