1 エルヴィン・スミス

迷子の

怖いんだ。いつだって私はお前に置いていかれてしまいそうで。
こんな情けない俺を、お前は笑うだろうか。団長ともあろう者が、まるで迷子の子どものように泣きそうだと言えば、お前は軽蔑するだろうか。
ずっと怖いんだ。壁外に行くことは何とも思わないというのに。
いつも求めるのは俺ばかりで、いつもねだるのは俺ばかりだ。
それとも、お前はそれでも精一杯私に甘えてくれているのだろうか。それを信じてやれない俺がいけないのだろうか。
もう何が正解か分からない。
こんなにもお前を愛してしまった、己が愚かにすら見えてくる。