1 ナイル・ドーク

無題

お前はきっと気付かない。お前に気付かれる気もない。
どんな思いであれはどうだ、これはどうだと俺が笑っていたのか。人気者は忙しいなと言ったのか。知っているのは俺だけで十分だ。

愛されている自覚はある。それが友情の延長線上なのか、それとも恋人と名乗ってもいいものなのか。すまないが俺には判断がつかないようだ。俺はお前の恋人なのだろうか否かそれすらもわからない。お前の紡ぐ愛しているが、場を繕う一時凌ぎだとすら思い始めたんだ。もうだめなのかもしれないな。


お前、俺じゃなくていつもお前の側にいる彼女と付き合う方が良いんじゃないのか。恋人がいると言えない俺たちの関係なんぞきっちまおうか。な?
なあ、虚しいよ。
2 ナイル・ドーク
正直しんどい。姿も分からない影に怯えて俺はお前と共に生きていくんだろう。いつか友達だとお前に紹介される日が来るんだなと漠然とした確信がある。その時は全て終わりにしてしまおうじゃねえか。指輪も投げ捨てる。

一人になりたくねえからお前が手放してないだけなんだよ。気付け。