1 ヒストリア•レイス

ばかみたい。

めんどうくさいと手を離すのはいつだってわたしの役割で。けれど、あの幸せだった数ヶ月、ううん。数週間かもしれないね。それを思い出してはなんと幸せだったのかしらと笑えてきちゃう。結局こうして暇をつぶしたいだけならあなたにとってはいい迷惑ね。ごめんなさい。でもね、時折あなたを思い出すの。それからあなたの声を思い出して、ああどうして全てを遮ってしまったんだろうって。ばかみたいでしょう。