1 アニ・レオンハート

ばいばい

驚くほど未練は沸かなかった。
あれだけ言葉を交わし、たくさんの共通点を見つけたのに……私はずっとあんたに手を離されることを望んでいたようだ。
ようだ、なんておかしいね。正直な話、私はあんたのことが好きでもあったし、嫌いでもあったのだろう。
私の話を聞いて頭を撫でてくれるあんたは好き。でも、毎日あまりにもの回数私からの返答を望むあんたに、私は……少しずつ疲れていったんだ。

私は何度もあんたに言ったよ。
年度末は忙しくなるから、あんたの思うように反応してあげることはできない。でも、それさえ越えればまた前のように戻れるって。
あんたは了承してくれた、配慮するよ、待ってるよとはっきり言ってくれた。
それなのに。
ああ、それなのにだ。
あんたはそこからたったの数日で私の手を離した。
あっさりとね。
あんたからの白紙を見たとき……私はどうしたと思う?
滑稽だね、手紙を握り締めてガッツポーズしてたんだ。
薄情だね、自分でもそう思うよ。
ばいばい、団長さん。次はあんたの束縛に答えてくれる人を見つけなよ。
そして、現実からの一撃はあんたを奈落へ突き落とすだろう。

恨んでるわけじゃない、ただ、あんたが自分が道を踏み外しつつあることに、どうか気づいて欲しい。

あんたに未練はないけれど、今までどおり心配はしてる。

鳩は変えてしまった。だけど、あんたが私を探すなら、答えることをしないことはないから。
2 エルヴィン
すまない、内容を見てまさかとは思うんだが…嫌でなければ鍵をお願いできないか?
3 アニ・レオンハート
悪いけど、私からの鍵の提示は考えてないよ。答えが欲しいなら、あんたから鍵を見せて。
私は団長さんを探してるわけじゃないんだ、見つかっても見つからなくても……私にとってはどうでもいい。
突き放すような言い方で悪いけど、それで考えて欲しい。
4 アニ・レオンハート
きつい物言いに感じるだろうけど、これが私の普段の言葉遣いなんだよ。

親記事にも鍵は散りばめたはずさ、できるだけ抑えたつもりでも、言葉が溢れてくる。

私はこの記事を書いたけれど、それでどうしたいとは考えてない。

ただ、私の感情を整理したかったんだ。

あれだけ毎日言葉を交わした人が居なくなったってのに少しも辛くない、何も感じない自分が空恐ろしくてね……こうして書いていれば少しは感情が揺れたりするのかなと思ったんだ。

結果としては失敗かな。

相変わらずなんとも思わない。

ただ淡々と思い出が浮かんでは消えるだけ。

感傷もない、寂しさもない。

私はこんなにも、血も涙もない人間だったのか。
5 エルヴィン
遅くなってすまないが、此方から鍵を…

・相互夢

これで当てはまるなら私の事だな。まさかとは思うが、一応待たせて貰おう。
6 アニ・レオンハート
今更かもしれないけど、あんたの鍵に見覚えはない。

あと出しで悪いけど私は仮の姿だし、団長さんというのも仮の名前を使ってる。

不思議なことに私と団長さん、という組み合わせが本当に存在していたようだ。

勘違いさせて悪かったね、あんたが思い人と再会できますように。