1 リヴァイ

行き止まり

前が開けない。
このままここに立っていることしか出来ない。後ろには何もない。孤独な暗闇以外は。
だが前に道はない。高い高い壁があるだけだ。
俺はそれを壊して前に進めない。壁を壊したくないからだ。壊すのが怖いからだ。あるいは何をしても壊れない壁だからだ。はたまた、何をしても壊れないと理由をつけて行動に移せないだけなのかもしれない。

壊した先には何がある。
何もない、あるとしたら孤独。
孤独の先には明るい何かが待っているのかもしれない。だがそこにたどり着くまでにどれだけの時を費やすのか…。
怠惰な俺はそれを億劫に思う。

退けないし進めない。
だからこうやって胡座をかいて居座っている。