風化しつつある憎しみ

どんなに辛くても殺したい程憎くなっても時が経てば角が取れていい思い出だけが残る。
会えばまた憎しみが湧くのだろうが、いや…もう会う事は一生無いだろう。
考えもまるで合わなかった。

角が取れた今言えるのは本当に愛していたという事。
今でも似た性格の相手を求めてしまうのはいけない事だと思いながらも何処か君の面影を探している。

これまでにない最悪の別れだったが時間が経った今、きちんと別れと感謝を。

一年以上もの間ありがとう。
私にとってこれ以上の恋愛はもうする事は出来ない。
君は最高で最悪だった。
どうか今は幸せに。

俺の恋人だったエルヴィンであるならば、…お前もどうか幸せに。
お前の幸せを本当に心から願っている。

お前を手放した俺には、幸せなどありはしない。
俺はそれでいい。
いつまでも過去にならない思いを抱いて、俺は逝く。

私の恋人だった彼とは姿が異なるから強くは言えないが、いつかあるかもしれない幸せは諦めずに。

私には彼を幸せにする事どころか一緒に居る権利すら無いから何処かにそれを叶えてくれる者が現れる事を願う。

…本当の姿は晒さないでおく。
（俺はお前の過去にしかいない男だから。）

今思えば、当時の俺にも非がありお前を随分と苦しめてしまったと思う。
もう今更だが。
俺はその咎を背負い、一人で生きていく。
もう出会いも幸せもいらない。
ありがとう、エルヴィン。