1 リヴァイ

泣かせたくない

そう、ずっと思ってきた。
縁に恵まれないあいつが、俺の傍で笑っているのを見ると安心したし、可愛いとも思っていた。
いや…別に今はもう可愛くない訳じゃねぇ、嫌いになった訳でもない。
あいつを大事に思ってきたし、人として尊敬している部分もある。

ただ、…最近はあいつから毎日届く手紙が正直重く感じてきている。
何と返せばいいか分からなくなって、返さない日も増えてきた。
だがあいつは何も言わねぇし、毎日飽きもせず他愛のない話をしながら会いに来る。…いつも笑って、不満も不平も漏らさない。
一方的に会話を投げつけてきて、返事をしなくてもまた違うものを投げてくる。
…正直、薄気味悪ぃ。

嫁だなんだといえば恥ずかしそうにしつつもどこか嬉しそうにするあいつが可愛いと思っていた。
朝の挨拶をかかさずしにくるところや、たまに甘えたいと膝に乗ってくるところも気に入っていた。
ずっと一緒にいたいと、俺だって思っていた。

人の気持ちは変化する。永遠なんか存在しねぇ。
なぁ…エレンよ、お前を泣かせたくはないし、変わらず傍においておきたい。
だが心のどこかで、全部煩わしくなっている。距離を、置きたいのかもしれない。

……どうすればいいんだろうな。