1 クリスタ・レンズ

無題

記念日に送る予定だった鳩を読み返しては、その浮かれぶりに嫌気がさすよ。何も知らないで浮かれて、本当にバカだよ。大事なものは貴方しかなくて、貴方がいてくれる幸福を噛み締めて私なりに大事にしていた筈なのに、それがいつか傲りになって、気付かない間に押し付けになってた。ごめんね、貴方を苦しめて…貴方が苦しんでるのに気付けなくて。
貴方を苦しめるなら、こんなに溺れなければよかったよ。もっと感情的にならなければよかった。盲目的に貴方を愛して、何も見えなくなって…いつしか貴方の本心も見えなくなって…私だけが浮かれて。後悔してももう遅い。わかってる。貴方を苦しめた事実はなくならない。
本当は、貴方に会う前の私みたいになれればよかった…だけど貴方の隣が居心地良すぎて色々忘れちゃっていたんだ。

ごめんね、大好きな人。
それでも貴方を愛してる。止まらない想いを許して。