1 リヴァイ

すまなかった

数ヶ月先の約束は確証を得られない。

今まで俺が過ごしてきて学んだ事だ。

お前の身体の事。俺の任務の事。
いつになったらお前中心に世界が回る日が来るのかと…それまで待っていてくれなんて言えなかった。
お前はいつも「待てが上手なんです」って言ってくれたな。今回だってもっと話し合えば待つ…結果になったのだろうか…だが、先にも言ったとおり遠い未来の約束は果たされないんじゃないか…臆病な俺を許してくれ。

俺の決断を汲んでくれてありがとう。

お前の最後の手紙、また手を伸ばしかけた。
でも、任務から帰って飯食って翌日の支度して…毎日のルーティンだけで精一杯だった。
お前に返事をしないとと思う度…言葉が出てこなくなった。遅くなって済まない、おやすみ、また明日…同じ会話でつまらないだろうか。寂しいだろうな…でも構えない…
己の弱さとお前への気持ちで押しつぶされそうになってあの結論に至った…


本当にすまない。

こんな俺の事を待っていてくれとも、まだ一緒にいてくれなど…言えない。
この世界でお前に会えたこと、それだけで俺は幸せだった。
大切なお前だから、…今のこんな俺と付き合って、お前の大切な時間を拘束なんか出来ない…

今でもお前のことが好きだ。
だがどうしていいか分からなくて…本当にすまない。
2 エレン・イェーガー
リヴァイ兵長、
オレの知っている兵長な気がしてなりません。

どうか、鍵を下さい。
3 リヴァイ
驚いた…まさかレスがあるとは思っていなかった。

鍵なら文章に散りばめてある。
待てが出来る。体調の事。
後は…最後のやり取りは2月11日。

俺の決断は変わらない…エレン…お前が幸せに過ごしていけるようになる事をただ願うのみだ。
4 エレン・イェーガー
どちらかと言えば鈍い俺ですが、これを読んで貴方だと確信が持てない程鈍くはないです。鍵なんて要りませんよ。貴方は俺のリヴァイ兵長です。
これ以上貴方の世界に踏み入らないようにと思っていました。ただまた俺の姿を間違えられんのは悔しいので、今日の日くらいは声を掛けてもいいかと思いました。

背負う荷が少しでも軽くなるように、余計なことを考えず前を向けるように、俺は傍を離れます。
心配しないで下さい。案ずるならご自分のことを。
謝罪も、俺が求めてると思いますか?もう謝らなくていいんですよ。

あの時送った手紙の気持ちは変わりません。
ちゃんと休んで、飯食って、身体には気を付けて下さいね。兵長。

突然でしゃばってしまって、失礼しました。
5 リヴァイ
1人目のエレンには、勘違いをさせてしまってすまなかったな。この文を読んでお前の頭に浮かんだ相手とは違うみたいだ。元の相手と話が出来るといいな。


そして…、間違えた訳じゃねぇだろ。違うだろうなとは感じていた、し。お前はコメントしないだろうなと…
体調は、俺よりもエレンの方が大変だろう。俺は日々の最低限の事だけ済ませれば何とかなっている。ここにも書きに来れたしな。
エレン…ありがとう…。身体に気をつけて、…俺なんかを好きになってくれてありがとう。