1 エルヴィン・スミス

身勝手に切り捨ててからもう随分と経った気がしたがまだ半年も経っていないとは。
今になって考えてみると、あの時も…それからあの時もその場の勢いだけで戻ってしまったのは間違いだったのだろう。
冷静になって考えれば一緒に居るのは無理だった。過去の事は勿論の事、決して許せない事が互いの間にあった。度重なる信頼の消失も酷な事だったと思うが、後ろのへの過干渉や貶す言葉は忘れもしない。その場では愛を語ったが、戻った所で根底にそれらがあっては本当は互いに愛せなかったのだろう。会話がなくなる前、一時は愛していたのは本当だった。身を削る程に。今は大切な者もきっと居ると思っている。私にも毎日抱き締めて可愛がる大切な者がいる。私達は一緒になるなど始めから無理だったんだ、離別の仕方はどうであれ離れたのは間違いではない。
もう会う事もそうなる気も起きない。何処かで幸せになっている事を祈る。