1 ミカサ・アッカーマン

白の雛芥子

「忘却」の為にこの花を選んだ訳じゃない。
エレン。あなたとの日々を思い出すと、全て白の花で埋め尽くされる。私にはとてもとても勿体ないぐらいの、愛情に満ちた日々。

生涯を共にすると決めた。だから眠りを選んだ。

幾度も思い悩んで選択した。後悔はしていない。…恐らく、と彼は小さく付け足すけれど。

ただふとした瞬間に眼が覚めて、…どれだけ待とうとエレンの声は聞こえない。その寂寞に潰されそうになる。

エレン、エレン。

もう少しの間、浸る事を許して欲しい。
涙が乾いたら、直ぐに隣へ行くから。
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