1 ベルトルト フーバー

離した手

2年前の冬、僕の勝手な打ち切りを責め立てることもせず
見送ってくれたジャン

別れ際に、俺は優しいからな!
そう言ってたね

その優しさに甘えて、僕は手を離してしまった

とても浅はかな考えだったと後悔してるよ

今、どうしてるだろう
僕よりも、何倍も幸せでいるだろうか

そうじゃないと困る

優しいキミが、幸せそうに笑っていなきゃ困る