1 エレン・イェーガー

終わる世界で

もうあなたの事を好きだという気持ちは薄れてしまったけれど、それでも心の何処かであなたの事を想う事はあの頃と変わらない。交わした言葉の数だけあなたを知ったつもりでいたのに壊れてしまえば何ひとつ残りはしなかった。愛しかったあの頃が今は幻のようであなたと共に過ごした日々も少しずつ記憶のなかで粉々になっていく。いつも一緒だったあの頃、あなたの隣で笑っていたこと。泣いていたこと。怒ってしまったこと。喧嘩したこと。たくさんあなたと過ごしてきた筈なのに今はどれも夢の中の話。あなたを守りきれなかった、優しく出来なかった、ごめんなさい。指輪と愛しかった想いは海の底へ沈めました。オレはやっと背中を向けて歩き出したところです。あなたはもうオレより先を歩いてるのでしょうか。オレは、ゆっくりゆっくり歩いていきます。