1 リヴァイ

尻尾。

昨日と言う日に掛けた声は誰の耳に届く事無く虚しく響いた。詰まる所、そう言う事だと理解はしたが、出来れば直接御前の声で聞きたかったと言えば、らしくないと笑うだろうか。御前を拾ってからの年月は気付けば年単位で数えられる程になった。直情的で素直な御前から学ぶ事は多く有ったし、何より愉しかったのは事実だ。だからこそらしく無く燻る感情を持て余した結果戯言を書き連ねるような真似をして居るのかもしれない。
欲を言えば何らかの合図は欲しかったってぇのが正直な所だ。多忙だと話して居た御前は逃げ無いと、逃げるなら声を掛けるだろうと信じきって今の今迄ロクに声を掛け無かった俺自身にも非は有るのは確かだが。

まぁ…良い。喧嘩は程々にしとけよ。元気でやれ。