1 ミカサ・アッカーマン

無題

本質を見失った恋だけが胸の奥に巣食っている。

空いた穴は大きくて痛い、けれど…昔の喜びを思い出す、時々の甘い疼きに負けて私はその痛さを見過ごす。それは百の痛みよりも千の苦しさよりも守りたい物なのかと問われれば分からない。
もう何が嬉しかったかなんて覚えていないに違いない。誰に焦がれていたかなんて忘れた。それでもこの恋を守ろうとする私は、


…大事な物とは何だろう。私はこんな物もう大事だとは思っていない。なのに手放せない。