1 エルヴィン・スミス

私の光へ。

お前が前を向くなら、私はもう介入しない方がいいのだろう。寂しさを訴えたお前から、連絡が来ることを密かに願っていた。お前が私を離したくないと、すがりつくのを願っていた。とんでもない甘えだろう。笑ってくれ。

リヴァイ、私はお前からねじ曲げられることを望んでいた。私は今まで誰にも依存したことがなかった。お前と違って、私は愛しい存在が居なくてもどうってことのない人間だからだ。今までも、多分これからもだ。私は一人が似合っている。

すごく好きだった、誕生日にはピアスの片方をあげようと思っていた。あのネックレスは捨てられてしまうのだろうか。持っていて欲しいと言うのは女々しいかな。別に下心なんかない、お前にきっと似合うから持っていて欲しいんだ。春なら尚更、ね。

お前の過去を結局私は越えられなかったな。お前に充分な幸せをあげられなくて済まなかった。私はあまりに自由だった。気楽で何も考えず、自分の目の前だけを見るような人間だ。お前を見ているようで、きっと己のことしか考えていなかったのだろう。お前の求める存在とは、かけ離れていたに違いない。

可愛いリヴァイ、別れの言葉を渡さなくとも別れと判断したならお前に従おう。私は今後恋人は作らずふらふらしていようと思う。きっとそれが性に合ってる。

リヴァイ、愛してるよ。可愛らしいお前の手紙も声も顔も絶対に忘れない。どうか誰よりも幸せになってくれ、お前の眩しい光を私以外の人間に与えてやってくれ。

寂しい思いをさせて済まなかった。お前の想いに応えてやれなくて済まなかった。

一時だとしても確かに私のものだった愛しい光、どうか幸せに。
ヘタレスミスより。