1 エレン・イェーガー

白黒の世界

貴方がオレの隣からいなくなった瞬間、またオレの世界は色を無くした。
長い間色を見て無かったからそれでも良かったんだ、それなのに。
貴方のそばで色の付いた世界を見てしまった。
それが長く続くと思っていた。望んでしまった。でもすぐに色は消えた。
オレと同じ姿をした、まったく違うオレのせいで。


同じく色のない世界を生きていた貴方と出会ったのは少し前の話。
お互いの世界に色を付けられれば、と言ったのは貴方でしたよね。
そうなるのにあまり時間はかからなかった。
何時だってオレは貴方に夢中でした。
どんなに書き方を変えて呟いてもオレだと見抜いていたその目。
その目がたまらなく好きでした。
オレも貴方と同じ人が何人いても貴方だと見抜くことができました。

毎日、おはようとおやすみを。
今日を無事に生きて帰ってきたことを貴方に。
明日を迎えられる喜びを伝えていたつもりでした。

いつからですか?貴方の目が鈍くなったのは。
貴方のことを遊びだとか都合良くだなんて思ったことは一度もありませんよ、オレは。
貴方はオレと勘違いして傷ついていたみたいですけど。
同じように傷付いたオレのことをきっと貴方は知らない。

一方的に送られてきた最後の言葉に返したオレの言葉にウソはありません。いつだって貴方についたウソなんかありませんよ。
馬鹿みたいに信じてくれるかも、なんて思ってました。
オレは死に急ぎ野郎ではなく、ただの勘違い野郎でしたよ。

それっきりでしたね。
初めて貴方に怒りを覚えました。
けれどそれ以上に失った悲しみの方が大きかった。

あれから少しの時間が経ったけれど色のない世界は続いたまま。
貴方以上の人は見つからないから同じ名前の募集記事には行かないんです。
なんて、信じてくれませんよねリヴァイさん?
2 エレン・イェーガー
いい加減この想いを断ち切ろうと思ったから、最後の鳩と貴方の住所をすべて消したんだ。
後悔と前を向いて行こうとする決意が入り混じって妙な感じがするけど、もう終わったんだ。

簡単に想いが消えることはないんでしょうけど、オレはこんなところで何時までも止まってられねぇんだからな。
サヨナラ、愛しい人。本当に好きでした。

オレじゃない誰かとお幸せに。