1 リヴァイ

俺のほうだ

お前は自分が俺に捨てられて嘘を吐かれたとでも思っているんだろうが…
先に俺の手を離したのはお前だ。お前は無自覚だったのかもしれんがな。
突然いつもの鳩を寄越さなくなったろう…俺がそれを気にすると知っていたくせに、だ。
いつも馬鹿みてぇに毎日毎日律儀に飛ばしてきてたくせに突然だ。しかも一日だけじゃねぇ、そこからほとんどなくなった。俺が気付いていないとでも思っていたのか?
あまつさえ日を忘れる始末…約束したわけじゃねぇがあれは少しだけ堪えた…お前が言いたいと言うから教えてやったのに、だ。教えなければよかったと思うのは当然だろう?

鳩の数が減ってからぷっつり想いを口にしなくなったな…俺が言う言葉にも反応しやがらねぇ。
だがまた突然愛してるだの好きだの甘えたいだの言うようになって、俺はお前の言葉すべてが信用ならなくなった。お前がどういう奴でなにを考えていてなにを想っていたのかわからなくなった。

信用を白紙にしたのは俺じゃねぇだろ。
だから手を離したんだ…最後の言葉の一片すら信用できねぇうえに感情が微塵も動かなかった。
お前は俺を都合の良い存在にしていたんだろう?だからたかだか数字三つも忘れた。お互い様だ。
謝ってはやらねぇ。もうすべて忘れる。お前も俺を忘れろ。