宛の無い手紙

未だに棄てられずに残してある手紙。
総て君から貰った大切な言葉。
もう増える事も無く其処に存在し続ける。
時折読み返し、もっとこうしてやれば良かったああしてやれば良かったと後悔と反省が渦巻く。
4ヶ月、とても濃厚な日々だった。片時も君を忘れず想い続けた。それなのに、疑心暗鬼の心は加速して行くばかり。
何故信じてやれなかった。何故向き合わなかった。逃げたのは私だった。
なのに、君を今も忘れられず頸を締めたあの感覚が蘇る。頸に留まった蝶はもう其処には居ないのにね。
もう二度と触れられない頸に私は触れたい。馬鹿な男だ。

上の奴の言う通りだ。
俺はとっくにお前を許してる。
だからお前も自分自身を許して、前に進め。
俺は今幸せだ。
お前も自分だけの幸せを掴んだ時に、俺達はまた初めて出会う前のような対等な関係になれるんだろう。
全て忘れるなとは言わねぇ。
ただ、俺を乗り越えて一歩先に進め。
そこにお前の未来があるだろう。
有難う、エルヴィン。