1 リヴァイ

道化師

最後の最後までお前を傷付けてばかりだったな。我ながら最悪な結末だったと思う。演じることを何度誓ってもお前を前にしたら己の欲を抑えきれずに、挙げ句全部叩き付けてお前を傷付けた。自分が決めた道もろくに渡れねぇ馬鹿だよ、俺は。
ただただ、お前の中から俺という存在が消えないように必死だった。別に気持ちが通じ合わなくても良かった。幸せに出来る自信なんてこれっぽっちもなかったからな。それでも、気持ちをぶつけてお前を散々疲れさせた。本当最後まで馬鹿やっちまったな、と。気持ちが通じ合って浮かれてた。今は俺だけだと手を差し伸べて欲しかった。確信が欲しくて堪らなかった。
時には嘘だって必要だ。だから、お前は間違っちゃいねぇよ。俺は馬鹿正直だからそうはできないが、それも生き抜いていくための心の弱いお前なりの術なんだろうと思っておく。俺より傷付いていたのは確実にお前なんだろうな。俺の傷なんて掠り傷程度だ。
ここ数日間だけ見た甘く蕩けるような夢はもう終わったが、どうか幸せで居てくれ。もう、あんな馬鹿な事はしないで欲しい。お前は綺麗だ。汚くなんかない。あまり自分を責めるなよ。
…書き足らねぇが、どうもこの姿は使いにくい。俺には向いてないみたいだ。

可愛い俺の唯一に、沢山の幸福が訪れるように。願っている。今度こそちゃんと言う、さよならを。こんな奴の相手をしてくれたことに感謝を。本当に有り難う。
2 リヴァイ
は…似合わねぇ姿でこんな事書いてんじゃねぇよ…。

最初から最後までお前の気持ちを推し量れずに、結果的に沢山の傷を付けた事を深く詫びる…本当に悪かった…。俺はお前にどんなに傷付けられようが、どんなに責められようが、どんなに軽蔑されようが、側に居たかった…どんな形だって良かった、ただお前の側に居れるなら。もしかしたら欲しかったのかも知れない、お前が。こんな事が許される訳がないのにな…欲張りで大馬鹿野郎なのは俺の方だ、お前じゃねぇ。責めるなら俺を責めろ。お前は何も悪くない、お前へ手を差し伸べられなかった俺をどうか恨んでくれ。

お前の存在は永遠に俺の中で在り続ける、消せる訳がない。お前の事を要らないと、嫌いだと思ったのも事実だが…嘘で塗りかためられた言葉の中に時折愛を詰め込んで必死に隠して抑え込んでいたのも事実だ。慰めにもならない拙い愛だったかも知れないが、それは確かに愛だった。

どうかこれから過去になる俺に負ける事のない、大好きな野郎と幸せにな。嘘つきにはもう二度と引っ掛かるなよ?いつでも、どんな時でもお前の幸せを願っている。…さよならだ、愛しい俺のエレン。こんな汚くてどうしようもねぇ俺を愛してくれてありがとう…幸せだった、泣けるほどに。好きだった、苦しいほどに。楽しかった、痛いほどに。ありったけの感謝と謝罪をお前に…。