ミケへ

肌を刺すような日差しのなか、お前も任務に励んでいるのだろうか。

表題の通り、ミケを探している。
お前が鼻の利く男だと言うのならこれから先に目を通してくれ。

・出会いは縁繋ぎ茶会
・アルレルトのお陰
・上等なワイン
・最後に会ったのはお前の部屋で、睡魔に負けた私はまた鳩を飛ばすと約束をした

どうだろう、心当たりのある物があれば良いのだけれど。

遅くなってしまったが、突然姿を眩ましたことを詫びたくて筆をとった次第だ。
…あの日、お前と最後に会ってから。少し立て込んでいてね…やっと手が空いた折りに、鳩を溺死させてしまった。生憎と旧式の鳩だったものだから、巣箱に仕舞い込んでいた手紙もすべて溶けてなくなった。

新しい鳩を迎え入れて、暫く悩んだんだ。
お前は色男だから、きっともう誰かの隣でしあわせそうにしているんじゃないか、と。
それでもこうしてお前を探すのは…いや、よしておこう。
兎に角、突然連絡を途絶えさせてしまって申し訳なかった。暑さにやられず、お前の夏が良い夏でありますように。