此処で捜索は二度目のジャン。

…オーイ、ジャン?此処で探すのは二度目って、言えば判るだろ。オレだオレ。

念の為、鍵を幾つか載せとく。

▼鍵
@宿はアネモネの花
Aお前はS社でオレはD社
Bオレが告白した


ったく、あんだけ約束したのにまた居なくなりやがってよー?また色んな事を考えやがったんだろ。


さっさと戻って来い。オレは此処で待ってる。

迷わずに来いよ?ジャン。
本当は、もうお前の言葉なんて聞けねぇと思ってた。何から何までどうしてこうお見通しなんだよ、エレン。

仮宿でのやり取りはした事ねぇから、念の為に此処にも宿を残しとくぜ。

手紙がちゃんとお前の元に届いてる事を願う。
また此の場所を借りるが許して貰えると助かる。

……ったく、一体何回居なくなりゃ気が済むンだ?


クリスマスも近いってのに話し相手も居ねーとか、寂しいンだけど?


此の場所を今も御前が見てるかどうかはわかんねーけど、言葉を残す。


……早く帰って来い。ジャン。
気付けば大分日が経っていた。…否、長い空白に気付いていたものの、踏み出せなかった。今もそうだ。だからこうして、直接言葉の交わし合いが出来ねえで居る。

馬面のヘタレ野郎に成り代り、俺が代筆する事になった。此の文章がお前の目に留まるかは知らねえが…奴はお前に合わせる顔が無えとほざいては、思い出話を時折ぽつぽつと漏らしやがる。

どうにもずっと浮草みてえな生活を続けてた彼奴は、どうにも長くやり取りする事が苦手らしい。…今更過ぎる懺悔だ。
それでもお前の手を取ったのは、奴もそれなりに思う物があったからだろう。

エレン、お前はいつも真摯で心優しい。
……俺らしく無え文句だが、彼奴の考えに極力近い言葉を選んだ結果だ。

どんなに質量のある感情を抱えていたって、其れを言葉にして並べ立てたって、きっとお前に総てが伝わる事は無え。伝えきる前に、また姿を眩ませちまう。今までも此れからもそれは変わら無え。…そういう質に、いつからか成っちまった。

お前なら、きっと引く手数多だろう。

…それでも。そう思ってても、居場所を残しちまうのは彼奴の弱みなんだろうな。
何れにせよ、俺は押し付けられた物だけを書き残して置くだけだ。
また巡り合わせが無くとも、お前の笑顔が絶えねえ事を祈る。
…先ずは此処にレスが来てンのを態々オレに教えに出向いてくれたミカサに感謝の言葉をこの場を借りて伝えとく。

…、本当に有り難うな?ミカサ。


さっき、ジャンに宛てて手紙を送った。一応、念には念を入れてオレの宛先も此処に残しとく。


無事に言葉が届く事を願ってる。


(/貴重なSP感謝*)