───エルヴィン・スミス。

 

───オイ。これは一体、どういう状況だ?チッ、…。連絡が途切れる以前の、話の内容が内容だ。正直、此処を利用してもいいのかすら、わからない。お前の答えは何だ?この現状が、答えか?…、ただ。お前が黙って離れる、とは到底思わない。イヤ、思えない。お前が離れる気で沈黙を貫いてやがるなら、アレだが。───お前の答えがどっちであろうと、…、構わない。お前の選択と判断を受け入れよう。俺の気持ちと希望は、既に何度も伝えている。言ったはずだ、お前の希望は叶えてやりたい、と。時間は貰うが、できないことはない。その時間が、欲しい。…、そして、お前に伝えた気持ちは、変わっていない。───安心しろ、口煩いことは言わねえ。ピーピー喚いてみっともねえ面晒すような、クソみてえな真似はしない。お前の選択に従う。鬱陶しいなら、命令しろ。お前の命令に従うまでだ。───俺はただ、お前の口から聞きたい。…、それだけのことだ。お前から告げられる以上に、黙ったまま去られる方が傷は深い。そして、辛い───。

───だが、事故か不具合だった場合、そんなモンで途切れるのはまっぴらだ。今、俺の知り合いともまともに、上手く連絡が取れない状況に居る。どうやら、調子が悪いらしい。───だから、此処に残す。ただの事故ならクソ質が悪いな、こりゃあ。だが、そのクソ面倒臭ェ事故の可能性に、望みを賭ける。その可能性に、賭けたい。仮に、考えたくはねえが、万一縁が切れるなら。てめぇがそう考えていやがるなら、…、その前にどうしても伝えたいことがある。───だから、黙ってねえで来やがれ。


───クソ無難な鍵を、幾つか置いておく。てめぇなら、伝わるだろうが。クソ大事な所を抜いている意味は、察しろ。そいつらに関しては、お前から挙げてこい。


・俺が送った一発目は事故により不着。その時の宿は紅茶。
・クソメガネの大声の所為で、お前はやらかした。その後、俺も同じくやらかした。
・お互いに一目惚れ。
・薔薇とアイビーの花束。
・きっかけを作ったクソメガネに感謝を。
・お前が枯れたら、俺が抱く。
・この季節特有の流行り病。花粉は天敵。
・俺とお前の、独特な癖。


───まあ、こんなモンか。十分足りる、だろう?クソ多忙か体調不良なら、一言だけ欲しい。お前が落ち着くまで、時間が空こうと構わない。事故なら、確認したい。…、お前の声が聞けねえと、不安と心配でどうにかなっちまいそうだ。黙って消えやがる無粋な真似は、勘弁してほしい───。

もう一度、言う。叶えられるモノなら、お前の希望は、俺が叶えてやりたい。───お前の言葉が、聞きたい。

2 削除済
────、チッ。やはり、事故だったか。板を設けた甲斐があった。気付いてくれたことに、礼を言う。ありがとうな。震災の影響もあるだろう、…。念のために。伝言として、此処にも残しておく。

タイミングがクソ悪くてすまなく思うが、15日の深夜に一通。そして、16日の深夜に別宿で一通送っている。───お前に無事に届いていると良いんだがな、…。もし、お前の方に届いてねえのなら、板に残してもらいたい。そして、それ以降にお前が手紙を出した後、俺から返事が無いようなら、その時も板に記してもらいたい。手間を掛けさせて悪いが、頼む。

────、エルヴィン。板を見たお前から手紙が届いて、本当に良かった。だが、また事故に遭う可能性も未だ否めない。───約束しよう。お前から返事を貰った時は必ず返す。だから、もし、何か遭った時は此処に残してほしい。…、再びお前の声を聞けること、俺の声がお前に届いていることを願う。お前のくれた言葉に、俺も早く返したい───。