バレンタインに出会ったジャン

君がまだ僕の事を覚えていて、ここを覗くなんて奇跡に等しい事だって分かってる。あんなに手酷く振って君の前から消えておきながら、こうして君を探す自分の愚かさも。分かっておきながら、君が見てくれるんじゃないかって僅かな望みに縋る事を許して欲しい。

取り敢えず、君と僕の鍵を置いておくよ。
・君が催す茶室の予告を兵長が見つけた
・明け方に貰った薔薇の花
・プラネタリウムで一緒に見上げた星

これで十分じゃないかな。君と別れたのは随分前なのに、君の事は何度も思い出していたんだけど…僕の友達が書いた観察日記を読んでいたら、君はどう過ごしているのか気になってしまって。ずっと頭の中を巡っているんだ。……ねぇ、ジャン。恋人同士に戻ったり、友達になりたいなんて我儘は言わない。僕にはきっと、その資格はないから。元気に過ごしているか、君が幸せなのか…今恋人がいるなら惚気でも、僕を非難する言葉でも何でもいい。…ただ、君の声が聞きたいんだ。この記事を削除するまで、いつまでも待ってるから。