邂逅。(R20)

上がった体温に冷えた風が心地好い。
首筋がざわつく。身体の奥が震える。
――…咽喉が、渇く。

飲み干したのは一本。
兵団服もベルトも外し、雨上がりの夜風に程好く浮遊感に包まれる身を晒しているときに出会した。

見付かったのは俺か、…お前か。
軽く付き合え。捕って食いはしない。


後ろに控える者が成人を済ませていること、仮宿を訪ねてこられること、野郎であること、この三点が守れるならばお前が誰であろうが構わねぇ。

何を告げ、何を語り、何をしようとも、所詮はお前と俺しか知り得ないことだ。

その顔を見せろ。
また雨が降り出す前に。