深夜医務室、幼馴染へ宛てる

漸く復旧した、第一声でお前に詫びたい。俺の腕の中に居たお前へ。

突然遣り取り出来なくなって悪かった、その知らせが今頃になったことも重ねて詫びる。
あの後眠れたのか、お前の事だから心配させたまま不安になったんじゃないかと、言っても切が無いんだが申し訳なくて仕方ない。

ただ、お前と同じ時間を過ごして愉しかった。
もう一度会って抱き締めてやりたい、と欲を言う程に。

ベルトルト。
名前を呼ばせてくれよ。

本来なら先に礼を伝えるべきなのに後手に回ってばかりで情けない限りだ。改めて、この間は有り難う。
謝りたいのは僕の方だよ。君の隣があまりにも心地好いものだから…その優しさに付け込んで長々と居座ってしまった。もし、不快にさせていたらどうしようかと思っていたから少し…安心した。

…ライナーの方こそ、夢見はどうだった？
頭痛のことも、やっぱり気掛かりだよ。
…僕なんかの事より自分の体を大切にしてくれ。

……えっと…それで、あの…図々しいのは百も承知なんだけど、ライナーさえ良ければ都合の付くがあれば教えて欲しい。僕の方は明日は一日非番で、それ以降だと少し間が空いてしまうけど…夜なら大体空いていると思うから。

もっと、君の声を聞きたい。
…いや、聞かせて、欲しいんだ。

………何度もごめん。
僕から君に鳩を飛ばしたまでは良かったんだけど…その…僕の不注意で窓の錠を外し忘れていたから、もし君が鳩を放してくれていても気付かない状況だったんだ。

気が向いた時で構わないって手紙に記した気持ちに偽りはないから、任務で忙しかったり、君の興味が失せてしまっていたならそれはそれで構わない。ただ、君に不快な思いをさせていないか少し不安になって、それだけ謝っておこうと思ってさ。
…後者ならこの貼り紙は手の開いた時に外して貰えると助かるな、そうでもしないと君の温もりにいつまでもすがってしまいそうだから。

要件だけの愛想のない走り書きで悪いね、字が汚いのは急いだからってことで目を瞑ってくれ。
…一応、僕の鳩も残しておく。道に迷わないようにこの前とは違う子にしておくよ。

よう、ベルトルト。張り紙ありがとうな、鳩も送ってくれたのか？最近俺の鳩は腹を壊しているらしい。
へこたれてよく戻って来るんだ、叱咤してやったがマイペースな鳩のことだあまり期待は出来ん。
そういうわけでお前が貼ってくれたこいつの上から返信を貼っておくぜ。

俺の方は立込んだ任務が漸く落ち着いて来た。残りは報告書を提出すればいいわけだ。
ベルトルト、お前とはもう一度再会したい。

この前の続きをしようぜ、今度は引っ繰り返されてたまるかよ。
ちなみに不快だの、興味が何だのってのは無いからな。
それをよーく分からせてやる、ケツ洗って待ってろよ！

……ライナー。確かに回りくどいのは君らしくないと言ったかもしれないけど直球過ぎるのもどうかと僕は思うよ。
…でも、むざむざ君に譲る気もないから。何を、とは言わないけどね。

今さっき、鳩に手紙を括り付けて外に放した。もし君の手元に辿り着けていなかったら教えてくれるかな。