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1 リヴァイ

8/11、月色の髪のお前へ。

もう二日も前の話しだ、お前が気が付くか、気が付いたとして足を止め此処を読むかはお前お得意の博打打ちに倣うより他無い。

鍵は…
・暴投と変化球
・野良猫歴の長い俺
・『愛』とはの精神論

ーこれ位で十分かと思う。
そしてお前だと仮定した上で改めて先日の礼を告げる。人違いならば読まないフリでもしてくれ。

あの夜は訪ねてくれた事、お前の言葉に甘えての夜更けの精神論に付き合ってくれた事、言葉によって甘やかして貰った事、幾重にも感謝している。有り難うよ。まやかしや蜃気楼となって霧散する寄り掛かりならば知りたくねぇ、と言いはしたがそれがどうだ。時間が経ってもお前との応酬が忘れられず、未だ蜃気楼に囚われた侭で居る。
触れ合った訳でも睦言があった訳でもねぇのに、後ろ髪引かれている野良猫を笑うだろうか?

若しまたお前の時間と興味を俺へと向けてくれるのであれば…そんな僅かな期待を込めて言葉を残す。

縁が此れで終わろうともあの夜の感謝は褪せ無い。楽しい一時を有り難う、息災で。
…こうしてお前から言葉が贈られているとは思いも寄らず。

また縁があったら…と最後のあの時口にしてくれた通り、こうして遣り取りをする事が叶い嬉しく思う私が居る。

■鍵■
漆黒色
寂しがり
独り身の理由


多くは語らずとも、分かって貰えるだろう。
リヴァイ、あの夜の時間を私も忘れてはいない。時間が経過しようと思い出すのはお前の寂しそうな姿ばかりだ。あの短い時間に交わした応酬は私にとっても心に残るとても良きものだった。


鳩を置いておこう…煮るなり焼くなり、好きにしなさい。
まさか反応有るとは思わず二度読み返した。
挙句鳩迄…有り難く手紙を持たせたが万が一不備が有る場合を考えて、俺も此処にもう一羽遺して行く事にする。