1

切り裂く

「もう、お金は渡さない」
そう答えた次の瞬間、いきなり太腿にキックが叩き込まれた。
あまりの痛みによろけたぼくに、川辺は何の躊躇もせずに続けざまにキックを数発繰り出
す。
ひと気の無い夜の公園に、ぼくら四人だけ。
助けてくれそうな人は、誰一人通らない。
『集金』を断って、川辺たちの反応を見てから逃げようなんて思ってたぼくが、大甘だっ
たんだ。
とうとう倒れこんでしまったぼくに、高階や松本までもが蹴りを入れて、ぼくはただただ
亀のように丸くなって耐えるしかなかった。
体中が痛いよ!
もうやめて!助けて!
でも、あんまり痛くて声も出せない。
それからどのくらい経ったんだろう。
疲れた川辺が動きを止める頃には、ぼくはぐったりと地面に倒れて動けなくなってしまっ
ていた。
「チョーシくれてんじゃねーよ」
川辺がしゃがみ込み、ぼくの短パンのポケットをさぐる。
財布を探してるんだろうけど、ぼくは最初から財布を持ってきていない。
あ、そうだ!マズい・・・!
「・・・カッターだ」
やっと激昂が収まったのに、また川辺の声が強張ってきた。
ぼくのポケットからカッターナイフを取り出して、チキチキと刃を繰り出す川辺。
地面に伏せてるぼくには彼の顔は見えないけれど、それがどんなに恐ろしい形相なのか、
容易に想像できた。
護身用に、なんて考えるんじゃなかった。
出す暇も無いどころか、川辺たちを完全に怒らせちゃったじゃないか。
ぼく、マジで殺されるかもしれない。
どうしよう。恐いよ・・・。
「ごめ・・・な・・・さぃ・・・」
やっと小さな声を振り絞って、これだけ言うことができた。
カッターの刃が頬に当てられる。
いやだいやだ!恐いよ!

「おい、こいつ、そこのベンチに乗せんぞ」
「なんで?」
「二度と馬鹿なコト言わないよーに、オシオキすんだよ」

三人がかりで持ち上げられ、横にあった石のベンチを抱きかかえるような格好で乗せられ
る。
小石混じりの土の上も痛かったけど、平らな石の上は冷たくてもっと痛い。
ボタンを引き千切ってシャツが脱がされ、椅子の下で組み合わされた手首を縛られる。
これでぼくはもう、逃げることもできなくなってしまったんだ。
「なぁ、・・・どうすんだよ」
またカッターの刃を出した川辺に、松本が聞く。
「俺・・・ヤバいの、イヤだな・・・」
そんなの、ぼくはもっとイヤだ!
松本って、もしかしたらいいヤツかも。もっと言ってやってよ!
ぼくは首をひねって松本を見上げる。
助けて・・・お願いだから・・・
「なに考えてんだ、バーカ。殺っちまったら、もう金、取れないだろ」
川辺の言葉を聞いて、ぼくは心底ほっとした。
だけど、もちろんこれで終わるわけがなかったんだ。
ぼくはその後、本当に二度と彼らに逆らえなくなるような目に、遭わされた。
2
川辺が短パンのお尻の辺りを引っ張ってる。
「カッてーなー。切れねぇよ、これ」
それでもビリリと音がして、お尻の真ん中辺りに小さな穴が空く。
そこに左右から指を突っ込んで引っ張ると、短パンがバリバリっと大きく裂けた。
冷たい空気が入ってきて、怖さと寒さでおチンチンがきゅうんと縮む。
「うわ。白ブリーフだぜ、こいつ」
「ケツんとこ、ちょっと黄色くねぇ?」
「名前とか書いてそう」
「そりゃ小学生だろ!」
口々に勝手なことを言いながら笑い、ぼくのお尻にカッターの刃を当てる。
でも恥ずかしいと言うより、お尻や太腿を切られるんじゃないかと思って、生きた心地が
しなかった。
やめてくださいって言いたいけど、ヘタに刺激したらヤバいって思うと、それも言えない。
「高校生にもなって、このパンツはねぇよなー」
「河野、顔だけじゃなくてパンツまでガキだったんだ」
「毛も生えて無かったりして」
ありえるありえる、なんて言いながら、川辺が笑う。
「ケツ毛、生えてると思う人ー」
はーい、と高階が手を上げておどけた。
「河野みたいなタイプが、意外とモジャモジャだったりすんだよね」
「まさかー。チン毛はあるだろうけど、ぜーったいケツはツルツルだって」
松本が口を挟み、川辺が「じゃ、賭けよう」と提案する。
一瞬、カッターの刃先がお尻の割れ目をちくりと刺して、ぼくは恐ろしさに心臓がギューッ
と痛んだ。
「俺も生えてないほうに賭ける」
「よーし、んじゃ、一本でも生えてたらオゴリな」
「いくぞー。あれ、簡単に切れた」
薄いパンツが紙みたいに裂けて、ぼくは生のお尻を晒された。
おチンチンの辺りはまだパンツに覆われていて、お尻の穴だけ視姦されるような格好で。
三人が息を飲んで、公園に静けさが戻る。
「・・・ほら、やっぱ、ツルツルじゃん」
松本がそう言うまで、川辺も高階も黙ったまんまだった。
ぼくのみっともない姿を大笑いされると思ってたのに、三人の意外な反応に、ぼくはかえっ
て恐くなる。
なにがどうなったんだろう。
なんなの?怒ってるの?
「ほんっと、ツルツルな」
カッターじゃなく、川辺の指がお尻の谷間に触れる。
尾てい骨の下から下がってお尻の穴まで、触れるか触れないかくらいのタッチでゆっくり
と撫でる指先。
あ、それ、ムズムズする・・・っ。
思わずお尻がひくんとなって、指を乗せたまんまの肛門までが縮み、指を吸い込むみたい
に窪んだ。
「今、指を吸われた」
「肛門が?」
「マジかよ。誘ってんじゃねぇの・・・?」
そんなんじゃないって言いたいけど、声が出ない。
さっきまでとは違うけど、もっとヤバい雰囲気に飲まれて、ぼくはベンチに額を押し付け
て固まった。
「指、入りそう」
川辺がぐーっと指を押し付けてきたけど、お尻の穴が反発して入らなかった。
「唾、つければ?」
高階に言われる前に指を咥えた川辺が、唾液でデロデロになった指を再び穴に密着させる。
丸い指先が窪みにぴったりハマって、指がぼくの方に押し込まれ・・・
「・・・・っ・・・・!」
初めての侵入に、ぼくは声というか息というか、とにかくヘンな音を出しながら硬直する。
「入った・・・」
ズブズブと埋没する指が、腸壁を広げる。
ベンチを股に挟んでいるので足を大きく開いているせいか、痛みはほとんど無かった。
代わりにムズムズとくすぐったいようなカンジが、お尻の穴どころか腰全部を覆い始める。
「すっげ・・・どんどん入ってく・・・」
「こいつの中、暖かい・・・」
あ、そこ、ヘンなカンジ・・・・
3
ヤダ・・・・っ
「根元まで入っちゃったよ」
川辺がそう言いながら、少し曲げた指をぐるぐると回す。
腸の中の全部の方向をまさぐられて、ぼくのお尻に電気が走った。
「あっ・・・ん・・・・っ」
お尻に集中していた三人の視線が、ぼくの顔に集まるのを感じる。
「聞いた?今の声。アン!だって」
「やっべー・・・感じちゃってるよ、こいつ」
「掻き回してやっちゃってよ」
その言葉を待っていたのか、川辺は曲げた指を抜き差ししながら、ぼくの中をぐちゃぐちゃ
に掻き混ぜた。
「ヤっ・・・あ!・・・ぁ・・あ!」
背筋がゾクゾクして、時々指先の触るおチンチンの裏側辺りから、イっちゃう時みたいな
きゅうんとするカンジが何回も沸き立つ。
ダメ!ダメ・・・っ!
そんなされたら、ぼく、ホントに・・・っ
「このへん、ビクビク痙攣してる」
松本の指がお尻の穴とキンタマの間の膨らんでる部分に触れると、なぜかおチンチンに甘
いカンジが広がる。
「あ、今のでキンタマ、縮んだ」
こうなるともう、ぼくはオモチャだった。
パンツの穴から剥き出しにされた僅かな部分だけを執拗に嬲られ、押し殺した喘ぎを漏ら
して悶えるしかない。
掻き回されてるところが熱くねっとりしてきて、ビクン!ビクン!と痙攣しながら熔けちゃ
いそう・・・!
いつもオナニーする時に触るおチンチンにはまったく触ってもらえなくて、でもそっちも
カチカチになってしまう。
指を乱暴に動かされるとついお尻も上下左右に揺れて、腰とベンチに挟まれたおチンチン
が刺激されてイっちゃいそうなくらい気持ちよかった。
「な、次、俺にやらせて」
松本に急かされて、川辺が指を抜く。
指を抜かれるのがまたゾワっとして、切ないカンジでお尻がいっぱいになる。
「ちょっとウンコ臭い」
指の臭いを嗅ぎながら、川辺がそう言った。
「ケツだもん、当たり前だろ」
川辺を押し退けた松本が、濡れた指を突っ込んで中を探る。
「なんだっけ・・・前立腺マッサージだっけ?」
松本の指、川辺のより太くて圧迫感がある。
あん・・・そこ・・・ダメだっ!
「ぁあっ・・・んふっ・・・!」
ああああっ!
漏れちゃう!漏れちゃうよ!
「あった。ここだー」
太くて節くれだった指が、さっきもきゅうんとした場所をグリグリグリって押しまくる。
「んぅあーーーっ!」
ちょっと痛いのに、指で押し出されたみたいに自動的にイってしまった。
でもパンツに覆われて体の下敷きになってるおチンチンは三人からは見えなくて、松本は
しつこくその場所をえぐり続ける。
もうイったのに・・・やめて・・・っ・・・・ああっ・・・・
「んふ・・・ぅ・・・あぁんっ・・・はぁ・・ん・・っ」
また出ちゃう・・・イヤ・・・っ
「臭・・・!こいつ、イったんじゃないの?」
高階がそう言いだすまで、指責めは終わらなかった。
何度も電流を流されたような痺れと、とろけそうなほど甘い感覚が、ぼくのお尻いっぱい
に広がっていた。
4
賭けに負けた高階に川辺が買ってこさせたのは、小さなガラス瓶に入った飲料だった。
「センイ入りだって。便秘に効きそう」
二口ほどそれを飲んでから、川辺がぼくに言う。
「ケツ穴緩めて、ちゃんと飲めよ」
「そんなの、無理・・・・ひあっ!」
硬く冷たいビンの口が肛門に触れ、異物感に悲鳴を上げた。
そんな太いの、無理だよ!
「行きまーす。そーれ!」
「あぁああああーーーーーーーーっ!!」
指なんかとは全然違う、『突き破られる』ってカンジに、ぼくは絶叫した。
同時に微弱な炭酸がどっと流れ込んできて、腸壁を焼く。
どんどん押し込まれるまあるいビンがお尻の穴をギリリと拡張して、松本に押されて射精
しちゃった場所まで到達する。
コリン、とビンのフチが、そこを撫でた。
「はひぃ!ひぃあ!」
圧力で押し出されるビンを何度も押し込まれ、ぼくは本気汁をどくどく溢れさせながら泣
き叫ぶ。
「泣くほどいいんだ?」
「ケツん中、覗けそう」
「うっわー。また精液、漏らしてる」
すっかりトロトロになった直腸を刺激する炭酸、ぼくの体温で熱くなったガラスの容赦な
い前立腺刺激、お尻の奥まで覗き込む三人の視線。
「あひぃぃいいいい・・・ひふぅ・・・ヤんっ!・・あはぁああぁっ・・・っ」
もう何度目なのかも分からない絶頂を迎え、ぼくは痙攣しながら吐精した。