1

マッサージ機

2
巻き上げ機が鈍い金属音を立てながら、天井の長い鎖を巻き取っていく。
俺の胴体はパラシュートか宙乗りに使う、ハーネスみたいな革ベルトによって固定されて
おり、さらに鎖に直結されている。
たるんでいた鎖が張りを持ち、やがて立ったままの俺を持ち上げる。
両膝にもベルトが通されているが、これは胴を吊り下げるものより短い鎖に繋がっていて、
俺は両手両足を大きく広げた惨めな格好のまま、上へ上へと引き上げられる。
股間に通されたベルトは二つの尻の山をそれぞれに包み込んでおり、俺自身の体重がかか
ることでそれらを左右に広げる役割も果たしていた。
普段は閉じている肉が目いっぱい広げられ、肛門の中まで風が吹き込みそうだ。
「すごいことになってるぞ。全部丸見えだ」
二人の男が彼らの目の高さまで吊り上げられた俺の陰部を視姦し、卑猥な言葉で辱める。
「ケツが割れて、穴の奥のピンクの粘膜まで見えてるぞ」
「半勃ちになってるじゃないか。こんなことにも感じるのか?」
「ほら、答えろ、変態」
チンポと玉を一まとめに鷲づかみにされ、ぐにゅぐにゅと揉まれた。
「んっ・・・ふぅん・・・っ」
甘酸っぱいもやもやとした感覚が嬲られている肉からずうんと湧き上がり、俺は思わず生
唾を飲み込む。
茎を強めにしごく手を払いのけたいが、俺の両腕は手枷で万歳状態にされており、どうす
ることもできない。
「もう硬くなった。吊るされて興奮したんだな。こういうのが好きなんだろう?」
小刻みに皮をズリズリされて、チンポの芯にじわっと熱いものがこみ上げる。
「はぁ・・っ・・・あっ・・ん・・・」
悔しいが、気持ちがいい・・・。
尿道から先走りを押し出すみたいなしごき方も、時々袋の付け根に当たる指先も、引っ張っ
た皮でカリ首を包んで刺激するやり方も、すべて俺の弱点を知り尽くしての責めなのだ。
性器から生じた興奮はいつしか腰全体へ飛び火して、尿道をくじられたり会陰を撫でられ
たりするたびに、痺れるような快感となってそこかしこで弾ける。
「そんなに気持ちイイか。チンポしごかれてケツ穴がひくひくしてるぞ」
「んっんぅーー・・・っ・・ぁはっ」
「蟻の門渡りまで波打ってる。エロい眺めだよな」
「乳首まで、小豆みたいに膨らませて。こうしてやる」
ぷっくりと腫れた乳頭を爪でくじられ、びりっびりっと電気が走った。
「あぁっ・・・!」
「おい、今の喘ぎ声、聞いたか?男のくせに、乳首が感じるそうだ」
「全身性感帯の、変態なんだろ。思いっきり引っ張ってやれよ」
男たちがゲラゲラ笑う。
笑いながらも乳首を摘んで揺する手を緩めず、肉茎をしごく手も休めはしない。
快感が弄られている個所から断続的に発生し、緊張した肛門が熔けそうな悦びに合わせて
収縮を繰り返す。
「ぁっ・・ぁあーーっ・・・はぁん・・・んっあぁんっ」
自分がはしたない声を出しているのは、分かっている。
でも、どうしようも無かった。
チンポの先端から熱い汁が溢れ出して糸をまで引いている状態で、とても我慢なんてでき
はしない。乳首もチンポも、痺れながらとろけそうだ・・・
「くぅあぁ・・・っ・・・もぅ・・・っ」
「もう、なんだ?」
3
イきたい!

プライドが軋んで、どうしてもその一言が言えなかった。
「ああ、やめて欲しいか?じゃあ、そうしてやるよ」
俺の身体が絶頂寸前なのを知っていながら、男たちは手を引いてしまう。
あとひと擦りでイけそうなほど追い詰められながら放置された俺は、焦れた体をくねらせ
て悶える。
「あ・・・ぁ・・・っ・・・そ・・んな・・・」
とにかくイきたかった。出したかった。
太腿で陰茎を挟んでより合わせようとしたけれど、鎖で開脚させられた膝は体重を支えて
いるせいもあって、閉じることができない。
モゾモゾと腰を振り、膝頭を震わせて喘ぐ俺を、男たちは笑いながらなじる。
「おいおい、踊り出したぜ、こいつ」
「どうしたいんだ。ん?チンポの先がパクパクしてるぞ」
人差し指が茎と袋の境目から、裏スジを伝って亀頭までそっと撫でる。
羽根のように柔らかなタッチに、触れられている部分から細波のような快感が波紋となっ
て広がり、俺は目の前がフラッシュするほどの悦びを感じた。
「はひぃいぃ・・・っ・・・ぅあっ・・あぅんぅぅうううっ」
「あはは。我慢汁ダラダラだ。そーら、ここも感じるだろう?」
零れた汁を指先がすくい取り、先端の縦目に沿って塗り広げる。
鈴口の内側の火照った粘膜への刺激が、切なくもどかしい快感を与える。
「ぁあああぁぁっ!んぅあああああっ!」
「あーあ。痙攣しちゃってるよ」
切な過ぎて、頭がおかしくなりそうだった。
もっと、ちゃんと握って、しごいてくれ!
そんなナメクジが這うようなネチネチした刺激じゃなくて・・・ああ、そこ、イヤだ!

「イかせて欲しいんだろ?」
意地悪い微笑を浮かべ、男が尿道に指先を垂直に当てる。
そのままじわじわと押し込まれる指。
敏感な皮膚に、痒みとも痛みともつかない奇妙で甘美な痺れが広がる。
「んはぁぁ・・・ぁ・・ぅ・・・っ」
「こんなに我慢汁、撒き散らして。可哀想にな」
突如、鈴口がまん丸になるほど広がり、指が尿道に押し込まれた。
「ぁああああぁあああーーーーっ!」
焼け付くような痛みなのに、弱い肉をこすられるのは勃起したまま小便を漏らしているよ
うな異様な快感があった。
俺はなぜ、こんなことが気持ちいいんだ?!
「安心しろ。そろそろイかせてやる」
「お前の大好きなモノを、ご馳走してやるからな」
俺の潤んだ視界に、シリコン製のグロテスクな男根が映った。
俺自身のよりも一回り以上も太くて長いそれが直腸に詰め込まれた時、どれほどの苦しみ
と快感を与えるのかを、俺はよく知っている。
「これをケツに突っ込まれたまま、前をしごいてもらうのが好きなんだよな?」
オイルでぬめった異物の先端が肛門に触れて、反射的に括約筋が収縮する。
「昨日は入れっぱなしで二回もイったもんなあ」
昨日の責めを思い出したら、じんわりと恥骨の辺りが熱くなった。
イく瞬間には、痙攣と一緒に肛門が締まる。
なのに巨大な異物を挿入されたままで絶頂を迎えさせられたことで、前立腺が押し上げら
れて下半身が爆発しそうなくらいの快感を味わったことを思い出したから。
俺は尻を犯され、獣のように吼えながらイったのだ。
「昨日とおんなじじゃつまらないだろ?今日は面白いモノを持ってきたんだ」
横にいた方の男の手には、肩揉みに使う大きな震動ヘッドの付いたマッサージ機が握られ
ていた。
4
手元のスイッチが入ると、それは低い唸りを上げながら激しく拳大のヘッド部を震動させ
る。ピンクローターなど比べ物にならないほど、強烈な震動。
「楽しみだろ?」
それを何に使うんだ?まさか・・・?
俺の怯えを見た二人の口元が、引き攣れながら笑顔を作った。

見事なカリ高の張り型が、俺の体内に埋没してゆく。
「んむぅ・・・っ・・・・あっ」
「結構広げたつもりだったけど、意外にまだキツいな」
腸圧で押し戻されるシリコン製のペニスをぐいぐいと押し込み、男が真下から肛門を覗き
込む。
「ギチギチだな。少し力抜け」
空いた手が袋を掴み、中の玉をくにゅくにゅと転がす。袋の中で睾丸が踊り狂っていた。
「んぁあ!ああっ!ぅんあぁあっ!」
くすぐったいというか、下半身がとろけそうというか、とにかく声すら堪えきれない快感
が睾丸で弾ける。何もかも、漏らしてしまいそうだ!
「よし、いいぞ。根っこまで入った」
「あぁんっ・・・ああぁああっ!」
最後の一押しに内臓を押し上げられ、背筋にざわっとむず痒い悦びが走った。
「空中ファックのご感想は?」
手のひらで張り型の底を押し上げて軽いピストンを繰り返しながら、男が尋ねる。
「・・・ぅく・・っ・・・ぐ・・・っ」
極太のシリコンが直腸内で形を誇示して、前立腺を圧迫している。
尻を中心にもやもやとした劣情が湧いて、俺は自分の浅ましさに泣きそうになった。
放置されっぱなしのチンポが苦しい。
このまま突かれながらしごいてもらえば、昨日みたいに絶叫するほどのオーガズムが得ら
れるのに。
早く、早く、しごいてくれ・・・!
だが、男は前をしごいてはくれず、あの大きなマッサージ機のスイッチを入れた。
ブーンという音とともに激しく震動しているヘッドを俺に見せつけ、さも楽しそうに笑う。
「さあて。お楽しみの始まりだ」

「あっあああああーーーーーーーっ!!」
その瞬間、張り型は細かく激しい震動で、俺の尻の中を暴れまわった。
腸壁を震わせ、前立腺をこすり上げ、まるで生き物のように跳ねる張り型。
男がマッサージ機を張り型の底面に押し当てたのだ。
「ひぃああぁああああああーーーーっ!!」
マッサージ機のヘッドを下げると、押し出された張り型が浅い位置まで下りてくる。
それを再びマッサージ機で押し上げられたことで、前立腺をめちゃめちゃに殴られたよう
な衝撃が襲う。
「ああはぁああああああっ!!」
Gスポットから強く叩き出された水っぽい先走りが、まるで漏らしたみたいにほとばしる。
「おいおい、我慢汁を噴いたぜ。小便みたいだ」
「女の潮吹きみたいだな。ケツマンらしくなってきたじゃないか」
射精していないのに全身が痙攣し、目の前がフラッシュする快感が俺を覆った。
俺は生まれて初めて、射精無しの絶頂を体験したのだ。
「すげぇ、すげぇ」
「お前も手伝ってやれよ。向こうにもう一台あるだろ」
同じようなマッサージ機を持って、もう一人が近づいてきた。
こちらも激しく震動するヘッドを俺の下半身に向け・・・
5
「あぁはぁああんっ・・・んくぅ・・ぅあっあんっ・・・っ」
茎の形をなぞるように、マッサージ機がチンポに触れる。
手でしごかれるのとはまったく違う、ギリギリ限界まで追い詰める震動の愛撫。
「ほーら先っぽ。感じるだろう?」
「はぁあ・・あ!・・んぅ・・あぁっ・・・は・・っ」
切ない もどかしい 痺れる ああ、もう、出る! イってしまう・・・!
「ケツとチンポ、どっちが感じるんだ?」
「ああぁあああっ!んぐっ・・う・・・あはぁ・・・ぁ・・・んっ」
尻を もっと 押して 突いて!掻き回して!
早く お願い!もっと深く!もっと もっと めちゃめちゃに!
「チンポか?」
あ!あ!マッサージ機、外したら 張り型、抜けてしまう!
いやだ!もう少しでイけるのに!
「ぁはっ・・・深く・・・突・・いてくれっ・・・!!」

「があぁああああああああああっ!!」
深く、深く、シリコンの塊が突き刺さり、マッサージ機の震動でまるで前立腺が雹に打た
れたような衝撃を連続で受ける。
その間も、チンポには生ぬるい愛撫を与えられ続けたままで。
俺は尻への刺激でイった。
イった瞬間に肛門が締まり、さらにくっきりと腸内で自己主張する張り型に押し出される
ように、すぐさま二度目の絶頂を迎える。
俺の意識は、そのまま暗黒の深淵へと落ちていった。