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1 旗風
夏目貴志様
もう既に二つほど季節が流れる頃でしょうか。
…何処で出会ったのかは朧げですが貴方のことは未だ確かに旗風の中に……なので、この想い消えてしまう前にと本日は文を置いていきます

此方の使う端末の故障で貴方との連絡は途絶え連絡先も喪失してしまいました。本当はもっと早くこうして探すべきだったのでしょうが…申し訳ありません。

…鍵をと思いましたが何かその様な物も思い浮かばず……ですが旗風の膝の上、横たわる貴方の顔。頬へ触れてくださる優しい指先がどうしても忘れられません……最期まで側に居れず不出来な旗風をお許しください。願わくばもう一度貴方との逢瀬を。

お慕い申し上げます、夏目様。

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