雨傘を見上げる。

あーあ、今日も雨が降ってるね。ねえ、君の街はどう?ぐずついた空は今にも泣き出しそうだけど、君も泣きそうな顔してる。ほら、こっちにおいでよ、今なら寄り添えあえるかもしれないよ。君は独りじゃない。だから、俺のことも独りにしないで。

……なんて、こんなこと言ってたら重いかな?大丈夫、哀しい話ばかりするつもりはないよ。俺はただ、俺と話してくれる君の手をとりたいだけ。媒体は帯、姿はなんでもいいよ。君が部屋の鍵を持ってきてくれれば、すぐにでも逢いにいく。ただひとつ。俺はこの界隈から離れて少し経つからそれが許容出来る人だと嬉しいな。友達がいないのもさみしいものでさ、君が俺のはじめての人になってくれることを願って、暗幕へドロン。

さあ。どうか、君に逢えますように!待ってるね。