失った糸端

やあ、ご機嫌如何かな。今夜も月が綺麗だね。…そう真面目な顔をするなよ。物の例えなんかじゃないさ、本当に綺麗だと思ったんだ。今夜は月も高く、星も数多だ。こんな夜はテラスに出てシャンパーニュでも嗜みたいところだけど、次期も時期だしね。それは夏の楽しみにとっておこう。

前置きがながくなってきたけれど、今夜は久しぶりにこの場所に訪れたオレの相手をしてくれるレディを探しているよ。随分前に失ったこの糸端の先を結んでくれる相手が欲しいのさ。なあに、赤い糸だなんてロマンティックなものじゃなくてもいい。色とりどりの彩色も悪くはないと思うよ。恋愛だけに身を預けないでたまには友情に耽るのも悪くないだろう。

さて、提供はオレ。神宮寺レン。キミの姿は問わないよ。特に優遇冷遇はないから好きな姿でおいで。
媒体は帯、または宿。オレの返事は不規則だから昼夜不問。一日1通から多く迄。即レスもあれば日を跨ぐこともある気の向くまま。
期間は特に設けてないけれど、一日からそれなりの日数。キミとオレが飽くまでの間、存分に楽しもう。

それじゃあ糸端を絡めとる悪戯なレディは部屋を用意して手紙をくれるかな。キミの来訪を、今か今かと待ってるよ。