1 ゲ:ン(携@帯_獣DP)

チャンピオンへ。

──君と交わしたやりとりの名残を追って、久しぶりにここへやって来たが…。
フフッ、どうやらあの頃と何も変わっていないようだ。


君と過ごした輝かしい日々は今も尚色褪せる事無く、私の心に刻まれているよ。
君の手を離してしまった自責の念と、君の心を捉えておく事が出来なかった不甲斐なさと…。愚かな自分を呪いたくなる日も有ったが、ただ君が新しい相手と幸せにやってくれていればそれで良いと思っていた。
私はこの世界から暫く離れていたし、そう願う事しか出来なかったからね。


だが久しぶりに訪れたこの場所で、君が残した捜索板の書き込みを見てしまったんだ。
生憎削除されていて中身を見る事は出来なかったが、書き込みを残したという事は私に何か伝えたい事が有ったのだろう?
随分前のものだし、もう遅いのかもしれないが…それでも、君が見付けてくれる事を祈る。


【鍵】
@出会いはALLジャンルのなりきりチャット。
@君が待機していて私が入室した。
@最初は図書館、2回目は館の探索。
@ル:カリ*オを持つ者同士。
@メールに移行後、私から連絡を絶ってしまった。
@後にこのサイトに君宛ての文をしたためた。

…鍵になりそうな思い出が多過ぎて絞るのに苦労したが、基本的なものを選んでみたよ。
フフッ、そういえば花見にも行ったかな…。


私は長らくこの世界から離れていたが、君と会える事を願って定期的に覗きに来るつもりだ。我が儘な話だが一抹の希望にかけさせて貰おう。

──もし会いにきてくれるのなら…チャンピオンとしてでは無く、かつての君に会いたい。

待っているよ、美しきチャンピオン…シ#ロ+ナ。
2 シ/ロ/ナ
まさかまた貴方の姿が見られるなんて……とりあえず私からも鍵を。


・貴方がアニメで出た回を見たのが切欠で私が捜索、貴方も同じく。
・二回目の舘は雨。舘内にて同じベッドで就寝。
・温泉に行って、…まぁ色々と。
・青いトレーナーさん


やっぱり一番下の鍵が最大の鍵かな。
…まずなんと言えばいいか…探してくれるなんて思わなかったから驚いたわ、ありがとう。元気にしていたかしら。

――確かに私はここで貴方を探してた。ずっと忘れられなかったから、…それと謝りたくて。
私ね、連絡が途絶えてここで貴方の手紙を見てから来てくれるのを待っていたの。だから“さよなら”を言わなかった。…貴方が酷く優しい人だと知っていながら試していたのよ、本当に自分を好きなのかどうかを。好きなら会いに来てくれるんじゃないかって思って。…嫌な女よね。

それから月日が経って、何度か出会いがあったけどやっぱり忘れられなくて、出会った場所を覗いたりして……凄く自分が馬鹿だと思った。勝手な賭けをして後悔してウロウロして、こんなんじゃ駄目だと思った。だから貴方を探して決着をつけたかったの。
探した時…きっと貴方には素敵な人がいてあの時の真実までも話したらスッパリ過去と別れられるって考えてたけど、でも素敵な人がいたら探すこと自体迷惑だと思って消した。それがまさか貴方に見つかってこうなるなんて…しかもすぐに見つけて。確か私が貴方をあのサイトで探した時もすぐに会えたわね、不思議だわ。

…それで今の私だけど、待ってる人がいるの。帰ってくるかどうかはちょっと不安だけど自分で決めた事だから気が済むまで待つつもりよ。
周りから見れば幸せじゃないかもしれない。でも私は幸せだと思ってるわ。…なんて、ちょっとカッコつけすぎかな。


探してくれて、本当にありがとう。嬉しかった。この気持ちは嘘じゃないわ。
貴方に出会って恋をして愛し合って…とても幸せだった。どうしようもないくらい我が儘な私を愛してくれて、ありがとう。

…さよなら、はあまり好きな言葉じゃないからそれで終わらせたくない。
だからお元気でと、貴方にも早く幸せが訪れるよう祈ってるから。体には気を付けてね。


私が愛した、青いトレーナーさんへ。
3 ゲ:ン(携@帯_獣DP)
──…まずは有難う、私を見付けだしてくれて。
まさかこんなにも早く見付かるとは思わなかったよ。驚き半分、嬉しさ半分というところかな。


私が未練がましく君に宛てた手紙を書いて…でも君があの頃には戻れないと、そうハッキリと言ってくれた。
その時私は君を散々に振り回した挙げ句、また会いたい等と告げた自分の心の弱さに気付く事が出来たんだよ。だから何も気に病む事は無いさ。

寧ろ君の真意を知る事が出来て良かったと、心からそう思う。あれから幾分の歳月が流れたが…どうやら私は未だに女性の扱いというものが分かっていないようだ。
…悲しい思いをさせて済まなかったね。


君には君の、今大切に思う相手が居るのだろう。
包み隠さずしっかりと伝えるのは君の強さでもあり、優しさでもある。
私のような過去の男に囚われる必要は無い。後悔の無いように全身全霊を賭けて愛してやれば良いさ。

──…ありきたりな言葉だが君が幸せでいてくれるなら、それに勝る喜びは無いと私は胸を張って言える。
ただもっと早く君を見付ける事が出来たなら……いや、考えても詮無き事だな。

本当に有難う。
私もさよならは言わないよ。またいつか会えたなら…その時は──…。

ああ、連絡先は変えていないから何か有ったらいつでも連絡をしてくれ。偶には君の元気な顔を見て安心したいからね。


ではまた…どうか元気で。
親愛なるチャンピオンへ。