1 葉香あきら(創作)

神凪十夜 へ

もう、何年も何年も昔の話。
とある学校で出会った君のことをふと思い出したよ。
どうして一緒に過ごすことになったのか、どうして俺から離れてしまったのか、全く思い出せないんだ。

だけど、君がとても優しかったこと、美術室で絵を描いていたこと、大きな家でたった一人住んでいたこと、フラフラしてた俺を離してくれなかったこと…俺にとってすごく幸せな時間だったこと。
良い思い出ばっかり浮かぶんだよ。

ねえ、十夜。元気にしてる?
十夜がまだこの世界にいるかもわからないし、この板を見るかも分からない。奇跡に近い可能性に賭けてみたくなるくらい、会いたくなった。
会ってどうするかなんて考えてないし、きっと俺も変わってしまったけど。少しだけでも話せないかな…

十夜を傷つけたのかもしれない。あの時の俺はすごく若くて、自分勝手だったから。ごめんなさい。

もし、もしも奇跡が起こるなら、連絡が欲しいです。
またあの笑顔で名前呼んでよ、十夜。