九条昴

明けましておめでとう。
出逢いは2007年3月28日、だったか。強烈な印象で、忘れられるわけがない。
清麗のイメージ。お前の奏でる音は高貴で、冷たく、鋭く、冬の湖のようだろうと言った。
今思えば、あの時の俺はずいぶんと恥ずかしいセリフを吐いたもんだな。

何度か会う内、お前に惹かれた。
そう頻繁に会っていた訳じゃない。だが会うごとに恐ろしいほどお前に魅了されていった。
美しかった。完璧で隙がない。けど放っておけない。
いつ零れ落ちるか解らない弱い部分や脆い部分を、俺が受け止めてやりたいと思った。

───好きだった、九条。いや違う、好きなんだ昴。
黙って居なくなって悪かった。本当はもっと早くに謝りたかった。あれからも何度かお前は連絡をくれてたな。
それを知った頃、俺にはもうお前を迎えに行く勇気が……今更だろ、って、消えてた。
信じていると言ってくれた昴。お前を信じて、それからすぐにでも会いに行けばよかったんだよな。
…悪い、昴。こんなの本当に今更だろう。だがほんの少しの希望を信じて……ここに記す。

俺とお前の組み合わせなんて他に無いだろうが一応鍵を。
・出逢いはなりメ募集サイト(閉鎖済)にあったオールジャンル無登録茶
・昴が連絡先を残してくれて、俺が後に連絡
・デートは音楽室、屋上、海、祭り
・『ラ・カンパネッラ』を弾き合う
・手作りベーグルとチーズケーキ
・屋上で告白。デコピンとキス
・いつか服を選びに行く約束


…また会えたとしても、こっちの生活環境からしてメールもデートも頻繁には出来ないだろう。
でもお前にまた会いたいんだ。お前の声を…お前の奏でる澄んだ音色を、聴きたいんだ。
お前がもう俺を必要としないならその時は正直にそう言ってくれ。頼む。

今度は俺が待つ番だぜ。
これを見つけてくれる事を、旅人を導くあの北極星に…願う。