浜辺で出会った藤堂君へ

やあ、こんにちは。此処を見てくれてるって事は君は藤堂君かな？申し訳ないけど、少し時間が経ち過ぎて漢字に自信がないんだ。間違っていたらごめんね。
特に何かあるって訳じゃないけど、急に懐かしくなってしまったからちょっとの期間だけ君を捜させてもらうよ。

取り敢えず簡単な鍵を置いて行くから、返事をくれると嬉しい。
・私たちは2008年の10月31日で閉鎖してしまった男子校の音楽教師と生徒。
・出会いは浜辺。服のまま海に入っている私を見て、君は面白い勘違いをした。
・失恋してしまった君の話を聞いている最中に私は情けない事に寝てしまった。
・私は家庭科室でおにぎりを作って、そこでも君に会った。
・君の下の名前はナオ。漢字に自信がないけど、成央…だったかな？

沢山になってしまったけど、此処に置いておくね。
君からもし返事があったら、私は新しい学校に入ろうと思う。保健の先生が造ったあの学園だよ。先に知り合いを入れてしまったのだけれど。

以前出会ったあの学園に一ヵ月いられなかった私だ。今回もあまり長く在籍できないかもしれないけど、ほんの少しの希望を持って君の返事を待っているよ。

普段こんなところ見ねぇのに、たまたま開いたら自分の名前あって驚いた。

海辺のホテルに置いてっちゃった、あの先生。

お久しぶりです、藤堂です。
先生、俺の名前よく覚えてたなぁ。

先生が辞めてから、俺結構荒れてたんですけど（笑）


少し日にち経ってるから、この返事に先生が気付くかどうか分かんねぇけど…探してくれてありがとう。

こんにちは。
まさか本当に見付かるとは思ってなかったから、正直驚きが隠せないよ。

気付いてくれてありがとう。

急に忙しくなってしまって辞めたんだけど、何やら申し訳ない事をしてしまったみたいだね。

強制しようと考えてる訳ではないんだけど、君はまた学園に入る気があるだろうか？

気が向いたらまた返事をくれると嬉しい。