"真一朗"

この"名前"を口にする事すら、懐かしいな。
どれ位の年月が過ぎただろうか。


おまえの最後の言葉は、謝罪。

僕は、僅かな言葉も紡ぐ事が出来なかったが。


―――ふと、思い出したんだ。
身に纏う風に、記憶を呼び起こされた…――何て、…でも本当に、突然に。


彼の場所も今は消え去ってしまったから、成す術が他に無い。


おまえが僕の元から去った理由、
今更だけれど、教えてくれないか。

今も、元気にしているのか?


少しだけで構わない、
顔を見せに来い。――真一朗。
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